だいぶ涼しくなってきた。この夏は死ぬほど暑かったが、結局、特にお世話になった会社は…と言えば、実はユニクロでは?と思ったりする。何を隠そう、私はスーツを脱げば「中身は全部ユニクロ」などという日も少なくない。
ユニクロ社員は、なぜ辞めるのか
「ブラック企業」論争で、一時、世間をにぎわせていた一方で、読者の皆様も、この夏はパンツや靴下はもちろん、ツルツルシャツのエアリズムやブラトップまでお世話になった方も多いハズだ。ユニクロ(ファーストリテイリング)は、よくも悪くも「決断筋」が「マッチョ」な企業の代表格でもある。今回は、このユニクロ内部のナマナマしい実態と、急成長を続けてきた経営を題材に、読者の皆様の「決断筋」を鍛えるお手伝いをさせていただきたい。
「約300人いた同期は、もう半分は辞めました」
ユニクロ新卒3年目。店舗で働く、中村夏樹さん(仮名)は語る。ユニクロらしい明るくさわやかな女性だ。3年で半分が退職。3年以上になれば、退職者はさらに増える。なぜ、外向けには笑顔のユニクロ社員の半数以上が、「退職という決断」に至るのだろう。
「とにかく業務量が半端じゃないんです。すごいスピード感。仕事がどんどん降ってきて、どんどん動いて、改善を日々繰り返さないといけない」
ユニクロの現場では、とにかく「スピード・効率」が命だ。考え込む暇があれば、とにかく決めて、やってみて、結果を見て改善、が求められ続けるという。
数字の達成も、売場管理の業務も「できない」という言葉は許されず、「どうすればできるのか」を問われる。「できなかった」は許されず、「なぜできなかったのか」を問われ続けることが珍しくない。
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