誰しも100%正しい決断をすることはできない。まず決めて動く、動いたら誰よりも早く修正する。成功するという保証はないが、うまくいけば御の字。うまくいかなくても、失敗から学んで、再度決断をして修正する。ユニクロが実践している「決断力と修正力の考え」自体は、もっと評価されてもよいはずだ。
「起業してうまくいかないことも多いけれど、まずやってみて、うまくいかなくてもそこから何とかする。ユニクロで学んだことは、今も生きていますよ」と、夏樹の彼も笑う。
「筋トレのしすぎ」は、逆に身体を壊しかねない
もっとも、心身ともに過剰すぎるプレッシャーが続いたり、会社に泊まり込みで週に1度しか帰れない生活(これはユニクロではなく、筆者経験談)をずっと続けることはできない。比較的若手のうちに思い切って「決断筋トレの環境に飛び込む」ことは、成長につながるという点では良いかもしれない。だが、環境が過酷すぎてそこについてくる人がいないような会社は、ただの自己満足といわれても仕方がない。
ユニクロの新卒採用ページには、「WORK IS LIFE」とある。「仕事とは、自分がどう生きるか」。「積極的に生き、理想をもって、こうありたい、こうあるべきだと求め続けてほしい」などという、メッセージが掲げられている。
しかし、こうありたいという姿を実現するには、心身ともに健康であることが前提だ。社員は、「生身」の人間だ。在庫処分ができる服とは違う。世界で躍進する企業として、成長・収益とのバランスを取りつつ、従業員満足度を高めるという決断や努力を、ユニクロはどこまで本気でできるだろうか。結果を見ながら、修正し続けられるだろうか。
片や、読者にとっては、どういう働き方が理想だろう?小さな決断をするきっかけとして、ぜひ考えていただきたい。
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