転機の時こそ、人間の器が試される 窮地に陥っても「考えろ、考えろ、考えろ」

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 何かにつけ不確実性の高い現代。一生安泰の仕事も、未来永劫つぶれない企業も存在しない。自分の仕事に明日があるのか――それをつねに考えておかないといけない時代だ。 この連載では、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談を募集。外資系金融、コンサル、ライブドア、企業再生コンサルなどを渡り歩き、数多くの業界やスタートアップに精通する塩野誠・経営共創基盤(IGPI)パートナーに、実践的なアドバイスをしてもらう。

お前は仕事をしてるのか?

皆様、こんにちは。鮮やかな紫陽花に雨粒が滴る季節となりました。紫陽花の花の色は土壌の酸性度によって決まるため、濃い青色をした紫陽花を見ると、その根元に銃火器や貨幣が埋まっているのではないかと夢想するこの頃です。

そんな夢見がちな6月ですが、駄文をまき散らしてきた筆者のキャリア相談も、今回で最終回となります。なんと33回もダラダラと続いてしまいました。なぜ今回で最終回かというと、連載の不人気さも否めませんが、諸先輩方から「まだ何も成し遂げていないのに、人の相談を聞いている場合か?」や、「もう少し大物になってから人様にアドバイスしてはどうか?」という温かいお言葉をいただいたからであります。

この連載を始めてから本業はライターだと思われることもたびたびあり、「人には偉そうに言うけど、お前は仕事してるのか?」と思っている方もいらっしゃるので、はばかりながら、最後は筆者の仕事内容にも触れようと思います。

元上司の相談に答えてしまう

思えば本連載のおかげで、興味深いこともいろいろとありました。筆者の昔の上司の相談にうっかり答えてしまったこともありました(チキンなので未確認)。大先輩にしたり顔でキャリアの説教をする、まさに顔から火が出るような恥ずかしさです。また先輩の意地悪さもクリエーティブです。連載を続けたら、部下から「上司が生理的に嫌いすぎて困っています」という相談が来ることでしょう。

起業したいから会って事業計画を見てくれといったお話は何度もありましたし、起業して成功し、人生の目標を失ってしまったという人や、出世したり、お金持ちになったら周りの人が信じられなくなってしまったという方も、何人もご連絡をいただきました。富める者でもソロモン王の時代から悩みは尽きないものです。個人的には富める人にはカッコつけてよいことをしてほしいです。

幸運にもいろいろな人にお会いできましたが、感想としては「30歳も過ぎると、生き方が顔に出る」でしょうか。この連載はヤラセをする必要もなく、ご相談のメールをたくさんいただけたことに感謝しておりますし、ご回答できなかった方はたいへん申し訳ありませんでした。

筆者としましては、何ひとつ成し遂げてもいないのに人の相談にのっている場合ではないと思いますし、頭や体が弱ってもまだ30代なので、もう少し自分の仕事を頑張ろうと思いました。東洋経済オンラインを見ると同世代の方々が華々しく活躍しているのを見て、「友が皆、われよりえらく見ゆる日」ではありますが、ねたまずひがまずわれはわれ、人は人と思っています。また同僚の著書『非学歴エリート』にあった「息抜きが必要なほど努力しているのか?」という言葉にも触発されました。

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