社内政治にうんざり。転職を考えています 【キャリア相談 Vol.32】

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 何かにつけ不確実性の高い現代。一生安泰の仕事も、未来永劫つぶれない企業も存在しない。自分の仕事に明日があるのか――それをつねに考えておかないといけない時代だ。 この連載では、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談を募集。外資系金融、コンサル、ライブドア、企業再生コンサルなどを渡り歩き、数多くの業界やスタートアップに精通する塩野誠・経営共創基盤(IGPI)パートナーに、実践的なアドバイスをしてもらう。

【キャリア相談 Vol.32】 私は転職したほうがいいですか?
 塩野様、いつも楽しく拝読しております。示唆に富んだ様々なアドバイスは私のキャリアの方向や、今自分がいる場所を確認するためにいつも勉強になります。
 実は2度目の相談なのですが、再度進路を検討するため相談させていただきます(1度目の相談でいただいた助言は今の私の立ち位置に大きく影響を与えてくれました、本当にありがとうございます。本来はメンターにでも言いたかったところですが)。
 現在、プロフェッショナルファームに勤務しており、ニッチではありますが、専門分野を確立し順調にきたところなのですが、自分のファームからの評価で悩み始めています。
 クライアント先、直属上司からの評価は非常に良く年次的にもこれで昇進かと思いきや、昇進が叶いそうにない状況です。
 社内政治を意識する年齢でもないと思っていたのですが、やはり昇進して稼いでナンボの世界において、実力がフェアに評価されていないと感じながら働くのは短絡的なのかもしれませんが、堪えるものがあります。
 そこで、私は、現在30歳手前という年齢もあり、いくつか進路を考えています。
(1) このまま不条理と思える評価を受け入れて我慢の期間を過ごす
(2) 他ファームからのオファーを受け移籍
(3) 欧米でMBA取得
(4) その他
 上記オプションを悩む理由としてはそれぞれ以下の通りです。
(1) あまり望ましいオプションではないが、自分にも不足があることをもう一度認識し、耐えるべきかもしれない。一方、他ファームが評価してくれるという歪な状況があるような、こんなファームはおかしいのかもしれない。
(2) 他ファームに行っても、また社内政治かもしれない。
(3) MBA取得後もまたこの世界に戻ってくるとしたらあまり意味がないかもしれない(結局は社内ネットワークや顧客基盤が重要なので)。一方、海外で戦うには最低限のシグナリングが得られ、かつコミュニケーションスキルの鍛錬の場としてはいいかもしれない。
(4) より専門職を強めるためにも事業会社でスキルを磨くべきか。年収ダウンの覚悟が必要かもしれない。
 どれも心晴れやかに選べるオプションではなく、将来何がしたいかなどと悩む就活中の大学生みたいな私に、何か別の見方をご教示いただければと思い投稿致しました。
 塩野様のこれらオプションに対するアドバイスやインサイトを頂ければと思います。
 宜しくお願い致します。

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初夏の陽気の中、山には山吹が映え、田んぼには水が張られ、田植えの季節となりました。田に苗を植える人々は誰かをしっかりと幸せにするお米を作りだしますが、筆者のような商売は誰かを少しでも幸せにできるのだろうかとじっと手を見ます。美しくボリュームはあるのに実のない報告書をつくり「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」とならぬように、と。

そんな山里の初夏に思いを馳せながらも、この原稿は深夜便に搭乗前の羽田で書いている昨今ですが、筆者の同僚の安井氏が「非学歴エリート」というエッジの効いた本を出しました。実はこの同僚はその昔、筆者のクライアントだったことがありまして、M&Aをやっていたのですが、ものすごく優秀な20代の人が出てきて驚いたことがあり、それが同氏でした。「学歴なし、コネなし、金なしの僕が、 なぜ20代で上場企業2社の役員になれたのか?」というこの本、おすすめです。

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