「不安になりにくい人」がやっている日々の習慣

「いつでも仮面を外せる」ようにしているか

羽賀:現代ならSNSのアカウント名ですかね。自分の号の数が、所属しているコミュニティの数にもなるわけですか。

石川:そう。号は連の中だけでなく、飲みに行ったお店とかでも使っていたみたいだけれどね。羽賀翔一ではなく「酔いどれ太郎です!」みたいな(笑)。ただ連というコミュニティはあくまで「機能」を重視していて、「存在」することが目的ではなかった。だから機能しなくなったら解散する。ついては離れ、の繰り返し。

羽賀:連句って、完全なる個人でクリエイティブなものを生み出すというよりは、なんとなく地続きで他者とつながっている自分がいて、そこから何かを作り出す、というイメージがします。以前にこのメンバーで「誇り」について話をしたとき、「日本人は組織やコミュニティに対して誇りを抱きやすい」という考察がありましたけれど、こうした昔からの慣習も影響しているんですかね?

石川:つながっていると思うよ。個人ではなく連として何かを作り出す感覚なのかも。人類の長い歴史の中で見てみると、「個」に焦点が当てられるようになったのはつい最近のことなのだとつくづく感じる。

「不安」をなくしたら、人は「安心」できるのか?

佐渡島:「安心」の対義語って「不安」だよね。抑うつ状態って、あらゆることへの不安や悲観、「周囲が自分を攻撃している」などの思考が伴っているけれど、これはその人の生活環境や人間関係といった外的要因に、感情が振り回されてしまっている可能性もあると思っていて。

石川:「論文はうつっぽくならないと書けない!」みたいな感覚なら、僕も理解できる。研究者にとって1月って、だいたい論文を書くシーズンなんだよ。7月の学会に向けた論文の締め切りが1月だから。なのでこの時期は、みんなうつ々としている(笑)。アイデアを出すときはご機嫌でいいのだけれど、きちんと思考をつなげようとすると、だんだんうつっぽくなっていく。

佐渡島:そもそも躁状態だと、ずっと机に向かってなんかいられないよね(笑)。思考を「ああでもない……こうでもない……」とやっていると、うつ状態になりやすくはなるかもしれないなあ。

次ページ作家にとって、精神的にかなりきついかもしれない
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