金持ちにはわからない「親ガチャ」の悲しさ残酷さ 「日本の未来」を暗示する格差大国アメリカの姿

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「衣・食・住がそろっていればあとは自己責任」というわけにはいかない現実があります(画像:Graphs/PIXTA)
2021年、「親ガチャ」が流行語大賞にノミネートされた。「親ガチャ」とは、子どもがどんな親のもとに生まれるのかは運任せであり、家庭環境によって人生を左右されることを、スマホゲームの「ガチャ」にたとえた言葉だ。
この言葉には若者の共感が集まる一方、否定的な意見も多数見られた。この感覚の違いはどこから来るのだろうか。
日本より格差や階級の固定化が激しいアメリカでも、同様の問題が起きている。「将来の日本の姿」として、アメリカを反面教師にすべきことは多い。
そこで本稿では、コロナ禍でますます肥大化したGAFAと、この4社に匹敵する権威を持つようになる「+X」の巨大テック企業が格差の固定化を助長すると指摘したベストセラー『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』を再編集し、アメリカにおける「親ガチャ」の現実を紹介する。

金持ちにはわからない「経済不安」の現実

自由奔放な資本主義を支持する人々は、増え続ける富裕層の特権のことなど気にせず、満ち潮はすべての船を持ち上げると言う。

『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』は、発売3日で6万部のベストセラーになっている(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

彼らはこう信じている。たしかに労働者階級のアメリカ人は、近年の好景気の恩恵を自分たちと同じようには享受していないかもしれない。しかしそれでも、彼らの生活は10年前、1世代前、なんなら100年前よりはよくなっている、と。そして彼らは安心する。

彼らは経済不安ということについて、根本的な誤解をしている。

私が子どもだったころ、経済不安は「サウンドトラック」だった─―つまり背後でつねにそのノイズが聞こえていた。

わが家が裕福であったことはなく、両親の離婚後は、経済的なストレスが経済不安へと変わった。おまえたちは価値がない、落伍者だ、というささやきが母と私を苦しめた。

9歳の冬、私は適当な上着を持っていなかったので、母と一緒にシアーズに出かけた。上着は33ドル、母の1日分の給料に近いことはわかっていた。

私たちは大きすぎるサイズのものを買った。それで2年、あるいは3年はもつと、母は考えたのだろう。息子がとにかくモノをなくす人間であることまでは、思い及ばなかった。

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