私たちが日々「罪悪感」にさいなまれてしまう理由 「社会のルール」「マイルール」の罠
「罪」という感情は、ルールがあるから生まれる?
佐渡島:社会規範的にはルールを破ることが「罪」とされているけれど、僕はルールによって一方的に「自分が悪い」という心境にされてしまうのが、すごくイヤなんだよね。
石川:いわゆる「みんなが決めたルール」だね。しかもその「みんな」とは昔の人たちで、ただそれが引き継がれているだけのものも多いと思う。「僕たちはそう決めていないよ」というルール。
佐渡島:少し前の話なんだけど、夜遅くに街を歩いていたとき、目の前の信号が赤で、いったんは止まったものの周囲に車も人もいないし、車が走って来る様子も絶対になかったから、そのまま道路を渡ったの。でも近くに交番があって、僕の様子を見ていた警察官に「さすがにここは我慢してよ〜」と注意されちゃった。するとその瞬間に、なんだか僕がものすごく悪いことをしたという心境になるんだよ。法律で決められているわけだから、実際にダメなのは理解できるけれどさ……。
あのときは、「赤信号を渡る」という行為そのものよりも、警察官から「ルールを破っているよ」と指摘されたことによって、罪の意識が生まれた気がする。正直に言うと、ちょっとモヤモヤしたなあ(笑)。
羽賀:僕も車が来ないと渡ってしまうことはあるけれど、警察官が見ているときはさすがにやらないですね。昔、「ピピピッ!」って笛を鳴らしながら注意されたことがあって、それだけでもだいぶ後悔を引きずりました。