私たちが日々「罪悪感」にさいなまれてしまう理由

「社会のルール」「マイルール」の罠

写真左より石川善樹氏、佐渡島庸平氏、羽賀翔一氏(写真提供:学研プラス)
自分にとって怒りとは、悲しみとは何か──。感情の一つひとつを認知し、解像度をどれだけ高められるかによって、あらゆるインプットやアウトプットが変わってくきます。
感情は、すぐに脳をジャックす』より、今回からはコルク代表で編集者の佐渡島庸平氏、予防医学研究者の石川善樹氏、漫画家の羽賀翔一氏による鼎談を抜粋してご紹介します。

「罪」という感情は、ルールがあるから生まれる?

佐渡島:社会規範的にはルールを破ることが「罪」とされているけれど、僕はルールによって一方的に「自分が悪い」という心境にされてしまうのが、すごくイヤなんだよね。

石川:いわゆる「みんなが決めたルール」だね。しかもその「みんな」とは昔の人たちで、ただそれが引き継がれているだけのものも多いと思う。「僕たちはそう決めていないよ」というルール。

佐渡島:少し前の話なんだけど、夜遅くに街を歩いていたとき、目の前の信号が赤で、いったんは止まったものの周囲に車も人もいないし、車が走って来る様子も絶対になかったから、そのまま道路を渡ったの。でも近くに交番があって、僕の様子を見ていた警察官に「さすがにここは我慢してよ〜」と注意されちゃった。するとその瞬間に、なんだか僕がものすごく悪いことをしたという心境になるんだよ。法律で決められているわけだから、実際にダメなのは理解できるけれどさ……。

あのときは、「赤信号を渡る」という行為そのものよりも、警察官から「ルールを破っているよ」と指摘されたことによって、罪の意識が生まれた気がする。正直に言うと、ちょっとモヤモヤしたなあ(笑)。

羽賀:僕も車が来ないと渡ってしまうことはあるけれど、警察官が見ているときはさすがにやらないですね。昔、「ピピピッ!」って笛を鳴らしながら注意されたことがあって、それだけでもだいぶ後悔を引きずりました。

次ページ「ルール」を破ったときに感じる申し訳なさ
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