「女性に体当たりする暴走中年」増えた根本原因 彼らはストレス社会が生み出した「被害者」か
2018年、インターネットで大きな注目を集めた「新宿駅タックル男」。
多くの人が行き交う新宿駅の構内で女性だけを狙って次々と体当たりしていく男性の姿を捉えた動画がSNSなどで拡散され、同じような被害にあったことがある女性たちから怒りの声が日本中で上がった。
この文章を書いている私もまた、男性から思い切りぶつかってこられた経験は数え切れないほどある。歩きスマホをしているわけでもないし、突然立ち止まったり人の流れに逆らって歩いたりしているわけでもない。しっかり前を見て歩いている状態のときでも、彼らは肩を突き出すようにして「意図的」に体当たりをしてくる。
ときどき数メートル先から、こちらを睨むようにして突進してくる男性の姿に気がつくことがある。こういった場合、体当たりされる危険を察知して男性の動線を避けても、なぜかわざわざ歩み寄ってきて肩をぶつけて、舌打ちをしながら立ち去っていくこともある。
「体当たり男」はなぜ女性ばかり狙うのか
私はこのとき「ああ、通り魔だな」と思った。彼らは行く道を邪魔されたから怒っているのではなく、自分の中にある「怒り」やフラストレーションを鎮めるために、あるいは自身の力を誇示するために、「誰でもいいから」と赤の他人に暴力を振るっているのだ。
しかし、こうした話を知人の男性にしてもほとんどが半信半疑といった様子で、理解を得られない。無理もない、体当たりをしてくる彼らは「力で負ける可能性のある」男性には決して害を加えないようにしているためだ。稀に被害にあったことある男性もいるが、決まって小柄で、おとなしそうに見える外見の持ち主である。
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