「女性に体当たりする暴走中年」増えた根本原因 彼らはストレス社会が生み出した「被害者」か

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そんな環境で社会人生活を過ごしていれば、赤の他人に危害を及ぼすほど狂ってしまう人間が生まれるのも、無理からぬことかもしれない。もちろんそんな身勝手な理由による加害が許されるべきではないが、社会構造上のストレスが彼らの凶行を助長している側面があるとすれば、対策を講じる必要がある。

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2020年4月現在、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが推奨され、働く人たちの多くが一日のほとんどの時間を自宅で過ごしている。

毎朝の満員電車やストレスフルな環境下での仕事から解放されたことを喜ぶ一方で、これまで自分が過ごしてきた生活の異常さを実感し、「再びあの日常に戻ることを思うと辛くて耐えられない」と精神の不調を訴える人もいる。

また、これほどの緊急事態にもかかわらず不必要に社員を出勤させるなど、社員の命を軽んじる会社の姿勢に愛想を尽かす人々も存在する。

仕事を最優先し、人生を犠牲にしてきた日本人が限界を迎え、働き方を省みて豊かな人生を取り戻そうとしている。まさに「働き方を改革する」ときが、今なのではないか。

労働生産性は「48年連続」で最下位

不寛容な社会で私たちが手に入れたものは、一体なんだったのだろう。日本の時間あたり労働生産性は47.5ドル。G7(主要7か国)では、データ取得が可能な1970年から48年連続で最下位という結果だ。長時間労働に加え、不寛容な社会を強いることで得たかったのは中身を伴わない、ただの「頑張っている感」だったのだろうか。

それは、多くの人が人生や家族との時間、健康などたくさんのものを犠牲にしてまで欲しかったものだろうか。

吉川 ばんび フリージャーナリスト

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よしかわ ばんび / Banbi Yoshikawa

1991年生まれ。コラム・取材記事をメインに執筆。とくに関心のある分野は貧困や機能不全家族、ブラック企業、社会問題など。

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