コロナで孤立が深まった人のあまりにも深い苦悩

つながりの格差、コミュニケーションの重要使命

表面上は何も問題がないように見えるほど、孤独や孤立の問題は可視化しづらくなってきている(写真:mits/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染状況が驚くほど落ち着きをみせ、11月1日には、東京都の感染者数が今年に入って初めて1ケタ台になった。首都圏を中心に人出が増加しており、飲食店などでも賑わいが復活してきている。

けれども、これは決して従来のようなコミュニケーションが成立する「コロナ以前の世界」が戻ったわけではない。2020年4月の1回目の緊急事態宣言から1年6カ月が経過したが、多くの人々が政府の自粛要請や各種メディアの情報に翻弄される中で、家族や職場などといったこれまでの人間関係の縮小を余儀なくされただけでなく、それらが果たして維持すべきものなのかどうかを含めて再検討せざるをえなくなった。

この局面において積極的に問題意識を持って動いた人々は、恐らく良好な人間関係に移行できた可能性が高いと思われるが、消極的な対応に終始した人々ほど、人間関係をめぐる状況がより悪化していったことが容易に想像される。

「つながりの格差」が広がった

つまり、コロナ禍を通じて適切な関係性を模索し続けた人々と、関係性そのものの変化に受動的であり続けた人々の間で「つながりの格差」が広がったといえる。これが「コロナ以後の世界」の酷薄な現実であり、近年深刻化している孤立・孤独問題を加速させている。

コロナ流行前に比べて社会的孤立者の割合が増加したというデータがある。「別居の家族や親戚」「友人・知人」それぞれとの対面交流やメッセージのやり取り、音声での通話などの頻度の合計が週1回未満を「社会的孤立」と定義したもので、コロナ流行前(2020年1月)に21.2%であったものがコロナ流行中(2020年8月)には6.7ポイント増加の27.9%と3割近くに上った。

男性であるほど、高齢であるほどその程度は大きく、教育歴や所得によって社会的孤立者割合の変化に違いは見られなかったという(「コロナ禍では男性・高齢であるほど社会的孤立に陥りやすく、孤独感に深刻な影響:約3万人への全国調査にて判明」/東京都健康長寿医療センター研究所)。

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