大学入学の年に希少がんと診断された男性
(2021年3月18日「グッドバイ」/ヨシナシゴトの捌け口)
「ヨシナシゴトの捌け口」(https://yoshinashigoto.hatenablog.jp/)というブログがある。京都大学に入学した山口雄也さんが、日々の随想を書きつづろうと1学年の夏に開設した。しかし、その数カ月後にがんの発症を告知され、図らずも闘病ブログとしての色彩を帯びるようになる。
山口さんは後に闘病専用のブログ「或る闘病記」(https://fight.hatenablog.jp/)も開設。最終的にはTwitter(https://twitter.com/Yuya__Yamaguchi)と、亡くなる3カ月前に始めたnote(https://note.com/yuya__yamaguchi/)を合わせ、発信源は4つとなる。それらを使い分け、ベッドから起き上がれない状態になっても発信を続け、息を引き取る1週間前まで「声」を残していった。
深い思索とあけすけな心情をつづった山口さんのページは多くの反響と共感を呼んだ。新聞やテレビで取り上げられ、2020年7月にはNHK記者の木内岳志さんとの共著『「がんになって良かった」と言いたい』も刊行している。一方で、最晩年は強い言葉が物議を醸したりもした。その痕跡はいくつかの発信源に残っている。いや、後述するが、山口さんが意図的に残している。
賛否が分かれる痕跡。故人のサイトにそれが残されていたとき、どう向き合えばいいのだろう? 山口さんが残した「声」から考えていきたい。
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