生前のデジタルデータを生成AIに学習させて故人を「復活」させる。中韓ではすでに広がりをみせているサービスが、日本でも本格的に動き始めた。新しい可能性と危うさを同時に抱えるAI故人ビジネスの実情を追う。
身を乗り出して、自然に微笑むAI故人
「皆さん、今日は私のために集まってくれて本当にありがとう。こうしてみんなが私を思い出し送ってくれること、心から嬉しく思います」
半生を共に歩んだ愛用のカメラを並べ、自宅と思われる部屋から画面に向かって穏やかに語りかける男性。2024年12月12日に98歳で亡くなり、その4日後に行われた通夜式で初めて披露された映像だ。
しかし、この映像は男性の生前には存在していなかった。亡くなった翌日に遺族がAI故人サービスに依頼し、その翌日である14日に納品されたものだ。つまり、故人本人によるものではなく、故人が語りかけるようにAIが生成した映像となる。
遺族が用意した原稿をベースに、画面の男性は生涯を語る。若い頃に競輪選手として活躍し、引退後は写真家に転身。晩年は一人息子の一家と暮らし、孫にも囲まれた。
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