「村上春樹になりたい」…AIで一体どれだけ叶うか クリエイターは淘汰されてしまうのか、それとも?

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生成AIを敵視する人も、仲間としてとらえる人も、考え方ひとつで己の身の振り方が一変するかもしれません(写真:metamorworks/PIXTA)
Midjourney、Stable Diffusionなど、各種画像生成AIの戦国時代ともいえる今。小説や映画、動画、音楽、ゲームという多岐にわたるエンターテインメント産業には、それぞれどんな未来が到来するのか?
生成AIを敵視する人も、仲間としてとらえる人も、考え方ひとつで己の身の振り方が一変するかもしれない。山本康正氏が上梓した『世界最高峰の研究者たちが予測する未来』より、これからの時代を生き抜くうえでのヒントを紹介する。

生成AIによる大文豪が登場する可能性も

生成AIの進化はめざましく、文章を生成してもらうことを活用すれば、いまや小説を書くことも可能です。どのようなジャンルでどんな作風の小説にしたいのか。指示を的確に行うことで、本物の小説家が書いている作品に近いコンテンツを生むことができます。

たとえば、「芥川龍之介テイストの作品を書いてくれ」といった指示です。太宰治でも構いません。村上春樹の世界観を反映した作品でもよいでしょう。

このような使い方がある一方で、自分が書いた作品のベースがある。それを入力し、よりエンタメ色の強い作品に書き換えたい。東野圭吾のような、時代を超越したミステリー風にしたいなど、アレンジとして使うことも可能でしょう。

つまり、作家を目指している、あるいは趣味で文章を書いている人の助けも、今後は生成AIが添削先生として、担ってくれることになるのです。

正式な作品も発表されています。堀江貴文氏がChatGPTを使って書いた『夢を叶える力』というビジネス書です。分量は約4万8000字、あとがき以外はほぼAIが作成し、制作時間は2時間だそうです。

タイトルについても、「堀江氏が書きそうな本のタイトル」を、と指示を出し、生成されたものをそのまま使ったそうです。アマゾンのレビューを見ると一長一短はあるようですが、それなりの評価を得ています。

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