10年も墓として機能している「ワイルズの闘病記」
「ワイルズの闘病記」というブログがある。T細胞型急性リンパ性白血病を患う埼玉県在住の男性「ワイルズ」さんのブログで、高校1年時の2009年2月にスタートした。2010年8月にワイルズさんが亡くなった後は両親が引き継ぎ、更新ペースを落としながらも七回忌(6年目の命日)まで記事を継続。以降は静止したままだが、彼の母(母ワイルズさん)は没後10年経った現在も毎日アクセスしている。
つまり10年も墓として機能していることになる。これはかなり稀有なことだ。
闘病ブログは書き手の生死が不明なまま更新が止まることがよくあるし、訃報を家族や友人が残した場合もしばらくして放置状態になったり、スパム書き込みの餌食になったりすることも多い。ブログブームが落ち着いた現在はサービスの終了に伴ってひっそりと消滅するパターンも増えている。ここ最近でもYahoo!ブログが2019年12月に、ヤプログ! byGMOが2020年1月に終了した。
「ワイルズの闘病記」が利用しているFC2ブログが現在もサービスを継続しているのは、単に運がよかっただけなのかもしれない。ただ、墓として機能するためのもっと重要な要素はブログの本文から読み取れる。
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