享年17歳の闘病ブログが10年後の今も残る意味 七回忌で更新を止めたネット墓に見えること

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自分の死後も多くの人に伝えたい。その意図をくんで、父ワイルズさんもこう綴っている。

このブログはこのままにしておくつもりです。
ワイルズ両親として、ワイルズが闘病中経験したことが少しでもこのブログを見た方、闘病されている方のお役にたってもらえたらと
(2010年8月8日「ワイルズからの手紙」)

まもなく母ワイルズさんもブログの扱いに慣れて、代わる代わる、ときには連名でアップするようになっていったが、更新頻度は徐々に落ちていく。

8月の15本から9月には5本、10月には2本、2011年3月までは月1本となり、やがて隔月、数カ月おきに。2012年7月に父ワイルズさんが脳出血で倒れてからは、命日付近に1回更新するスタンスをとり、七回忌を迎えた2016年まで続けた。

最後の投稿で母ワイルズさんはこう綴っている。

このブログの更新を今回で最後にしようと思います。
以前から迷っていました。このブログはワイルズの大切な場所で、しかも「がん」や「白血病」、「高校生ブログ」のランキングにも参加しています。(本人の設定) ワイルズ亡き後、親が更新をするということは筋違いな気がして、毎年、罪悪感を感じていました。
七回忌という節目の今回、やっと決心できました。長い間、訪問していただき心より感謝申し上げます。
(2016年8月1日「七回忌 さようなら」)

 

「消滅するならば、静かに諦めます」

最終更新から4年経つが、「ワイルズの闘病記」は役割を終えていない。

最後の日記には2019年まで毎年コメントが書き込まれているし、冒頭で触れたとおり、母ワイルズさんはほぼ毎日アクセスしている。コメント管理が目的だが、「ついでに記事を読んで、懐かしんだり涙することも」あるという。

では、今度はどうしていきたいと考えているのだろう。

「できれば息子のブログやTwitterは、ネット上にずっと存在してほしいと思います。不特定多数の人が見るなかで、息子の言葉に救われる方がいるかもしれない。励まされたり勇気をもらったり。母親である私がいまだにそうです。

しかし、やむをえない事情で消滅するならば、静かに諦めます。しょせん人間の創ったものに永遠なんてないと思いますから」

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