自分の死後も多くの人に伝えたい。その意図をくんで、父ワイルズさんもこう綴っている。
まもなく母ワイルズさんもブログの扱いに慣れて、代わる代わる、ときには連名でアップするようになっていったが、更新頻度は徐々に落ちていく。
8月の15本から9月には5本、10月には2本、2011年3月までは月1本となり、やがて隔月、数カ月おきに。2012年7月に父ワイルズさんが脳出血で倒れてからは、命日付近に1回更新するスタンスをとり、七回忌を迎えた2016年まで続けた。
最後の投稿で母ワイルズさんはこう綴っている。
「消滅するならば、静かに諦めます」
最終更新から4年経つが、「ワイルズの闘病記」は役割を終えていない。
最後の日記には2019年まで毎年コメントが書き込まれているし、冒頭で触れたとおり、母ワイルズさんはほぼ毎日アクセスしている。コメント管理が目的だが、「ついでに記事を読んで、懐かしんだり涙することも」あるという。
では、今度はどうしていきたいと考えているのだろう。
「できれば息子のブログやTwitterは、ネット上にずっと存在してほしいと思います。不特定多数の人が見るなかで、息子の言葉に救われる方がいるかもしれない。励まされたり勇気をもらったり。母親である私がいまだにそうです。
しかし、やむをえない事情で消滅するならば、静かに諦めます。しょせん人間の創ったものに永遠なんてないと思いますから」
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