「五輪はOK」「フェスNG」の矛盾が巻き起こす波紋 茨城県医師会の「中止要請」は妥当か不当か

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確かに音楽フェスは、動員人数の多さに加えて、歌いながら、酒を飲みながら楽しむのが普通であり、感染リスクは他のイベントをはるかに上回るものがあります。加えて、「普通のライブならともかく、音楽フェスはNPB、Jリーグ、プロレスなどのように観客がおとなしく見てくれないだろう」と見られているのも事実。しかし、同じロッキング・オン・ジャパンが企画制作して5月2~5日に開催された音楽フェス「JAPAN JAM」では観客のマナーがよく、クラスターが発生しなかったという声もあります。

そのため中止の判断は「妥当」とも、「不当」とも言い切れません。また、茨城県医師会らの要請も、圧力に近いところはあるけど、そうとは言い切れません。あくまで主催者の判断にすぎないのです。

こぼれ出る東京オリンピックへの不満

では、アーティストたちがあげた声は、どのようなもので、共感できる要素はあったのでしょうか。

最も熱をこめたコメントをしているのは、ツイッターに長文をアップしたRADWIMPS・野田洋次郎さん。「僕ら出演者もこの夏こそはという思いで臨んでいた中、無念です」と悔しさをつづったあと、東京オリンピックを引き合いに出して、世間の人々に訴えかけました。

「有観客、無観客に関わらず五輪開催による感染者数の増加はすでにたくさんの専門家の意見でも明らかな中、開催は既定路線として進みました。その裏でこういった国内の産業やイベントが犠牲を払う図式にやりきれない思いです」

「5万人以上といわれる外国人を受け入れる五輪開催は許され、感染対策など1年以上かけ準備してきた国内のイベントを中止させる決断を受け入れなければいけないのでしょうか」

「せめてフェス開催まであと1ヶ月あった中、五輪同様最後まで開催を前提にあらゆる準備をする機会を与えてほしかったです」

「五輪中、五輪後のイベント開催の中止を今要請するというのは、あまりに横暴に感じます。極めて個人的な想いとしては『ふざけんな』という気持ちです」

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