「チャットのビジネス利用」信頼を落とさない方法 「最初の挨拶ぐらいしてほしい」という現場の声

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ポイント3)くだけすぎない表現を

会話に近いツールだからといって、くだけすぎた表現は基本NGです。「了解」もビジネスマナーではよろしくないのですが、さらに「りょ」で済ませてしまう。また部下に対して、お疲れさまを「おつ」のように使用するケースです。上司や先輩から、これが来ると本当にモチベーションが下がるという声をよく聞きます。

また、何か報告しても「はい」としか返事がこないと、怖くなるという意見も多いです。実際の会話とは違い、状況が見えないうえにニュアンスが伝わりません。「はい」のニュアンスを勝手に想像してしまい、あれ? これしか返信がないのはよくないところがあったのかな?などと不安になってしまうのです。本当に忙しいときは別として、「早く提出してくれて助かったよ」とか「見やすい資料ですね」とか、ほんのひと言でよいので、感想や所感を記載するとやる気にも結びつくと思います。

「自分主体」の発信を心掛ける

ポイント4)グループチャットには名前だけでなく、会社名や部署名を

アイコンや写真などが表示される場合もあり、誰だか確認すればわかることではあるのですが、グループメンバーがたくさんいる場合は、よりわかりやすいように最初の投げかけには「研修部の大野です」のように名乗ってから、コメントを入れると親切です。多くの人とやり取りをしていると、同じ苗字の方がいたり、久しぶりだととっさに思い出せないこともあります。まずは、自分から名乗ることで、スムーズなコミュニケーションを図りましょう。

ポイント5)「私」主体で発信を

意見や感想を述べる場合には、「私はこう思う」と、あくまでも自分主体の発信をしましょう。自分の意見に自信がなかったり、後ろめたさがあったりすると「みんなこう言っていますが」「普通はこう考えるのが妥当ですが」というふうに一般化して、主張の正当性を訴えることがあると思います。 しかし相手にとっては反論しにくく、フラストレーションがたまりやすいやり方と言えます。また、「あなたの意見はどうなのよ?」と主体性のなさを不愉快に受け止められることもあります。主張するときは、自分の意思ということを明確にするほうがスムーズに伝わります。

手軽だからこそ、失言してしまうことも多いチャットツール。最近は削除機能がついているものも多いですが、即座に読まれることも多いため、削除が間に合わない場合もあります。気軽さがメリットではありますが、信頼を築くためには、ほんの少しの配慮や慎重さを持って利用していきたいですね。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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