コロナ後に残る会社と落ちる会社の決定的な差 IT、デジタル、グリーンの地殻変動を見極めよう

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では、コロナでの勝ち組とはどんな業者や企業だったのだろうか。アメリカのナスダック市場に上場されているハイテク企業の多くが「勝ち組」とされたのは周知の事実だ。ナスダックに限らず、ハイテク産業の多くがロックダウン中の世界では大きく注目を集め、業績も伸ばした。いくつか具体例を出すと次のようになる。

●アマゾン・ドットコム……2020年の売上高は前年の2805億ドルから3860億ドルとなり、株価も史上最高値を更新。2021年の業績予想でも4740億ドルの売上高が予想されている。改めてネット販売業の強さを示した

●ズーム・ビデオ・コミュニケーション……2020年の売上高は前年の4倍となり、2021年も40%超の増収を見込んでいる。日本でも、Zoomを使ったビジネスが定着しつつある

●ドアダッシュ……宅配サービスの大手。2020年10~12月期は前年同期比3倍の注文件数。12月に上場したばかりだが、株価は一時急騰した

●ショッピファイ……中小企業向けクラウドベースのプラットフォームを提供する独自のオンラインショップ。同じような業態の日本の「BASE」にも大きな注目が集まった

●テスラ(TSLA)……EV(電気自動車)のパイオニア。このところのアメリカの長期金利の上昇で株価は3割下落したが、コロナ禍によって世界中が「グリーン化」を目指すなかで、その象徴的な存在となっている

3つの大きなキーワード

今回のコロナによるパンデミックで起きた産業界の地殻変動には、3つの大きなキーワードがあるといわれている。

① IT(eコマース)化
② デジタル(DX=デジタルトランスフォーメーション)化
③ グリーン化

都市封鎖や外出自粛の期間が続いた影響で、インターネットによるリモートワークや会議が当たり前の時代になった。ネットを使った通信販売=eコマースなども大きくその需要を伸ばした。

たとえば、長期にわたるロックダウンを経験したイタリアの銀行「メディオバンカ(Mediobanca)」は2020年1~9月期の多国籍企業160社を調査した結果を発表しているが、その業種別売上高を見ると以下のようになっている(前年同期比)。

●インターネット  +18.4%
●大規模小売  +8.8%
●IT  +5.7%
●ファッション -21.3%
●航空  -30.6%
●エネルギー  -32.3%

大規模小売というのは、スーパーマーケットなどが好調だったことを物語っている。イタリアのような都市封鎖がきちんと実施された国の場合は、やはり「勝ち組」と「負け組」の差がはっきり出た、といっていいだろう。

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