コロナ後に残る会社と落ちる会社の決定的な差 IT、デジタル、グリーンの地殻変動を見極めよう

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株式市場では、グロース株からバリュー株へのシフトが始まり、ハイテク株が売られる状況が続いているが、いまだに世界中で1日当たり50万3467人(3月19日現在、ロイター)の新規感染者数が発生している状況では、まだまだ景気回復を望むには次期尚早といっていいだろう。ワクチン接種が進むアメリカでもいまだに1日当たり5万5591人(直近7日間の平均値、同)が新規に感染している。

コロナ後を考える以前に、いまをどう生き残っていくのかが問われそうだが、コロナ禍を生き残っていくノウハウこそコロナ後の世界にも通用する、と考えたほうがよさそうだ。デジタル化、IT化そしてグリーン化というキーワードを生かした次世代を意識したサバイバル法が大切ということだ。

Z世代の感性と価値観がカギに

たとえば、コロナで勝ち組となった企業も、今世紀の主流となるビジネスになれるのか……、今後の時代の変化にきちんと対応できるのか……、きちんと見極める必要がある。巣ごもり需要で業績を伸ばしたとされるゲーム産業の場合、現在のゲーム業界の活況さはコロナというよりも「Z世代」の成長が追い風になっている、と考えるほうが大きいのかもしれない。

Z世代というのは、生まれたときからPCやスマホがあって、物心ついたころからGoogle検索ができた、現在16~26歳程度の若者世代のことだが、ファッションやグルメなども独特の感性と価値観を持っている。こうしたZ世代をターゲットとしたビジネスこそ、コロナ後の世界に通用するビジネスとも言えるし、今世紀の主役になる可能性を持っている。

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日本では、デジタル化、グリーン化で大きく後れを取ってしまったが、その背景にはさまざまな要因がある。社会全体が安全で、現状に対する満足感が高い。しかし、そうした国民性もZ世代などの台頭で徐々に変化していく可能性が高い。

コロナ禍による経済の影響は、これからが本番という見方もある。世界中の中央銀行が、規制緩和やゼロ金利政策によって経済の落ち込みを支えたが、今後は財政基盤が脆くなった国の通貨暴落や財政破綻、金利上昇による株価暴落などなど、さまざまなシナリオが考えられる。

そんな中で、企業がどうやって生き残っていくのか……。いま、世界中の企業が直面している問題であり、とりわけ日本は財政上の懸念が他の国よりも一段と大きい。コロナ後の世界を生きる準備をしなければ、どんなに大手の企業でさえも消し飛んでしまう危うさを世界は抱え込み始めている。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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