イスラエルの超天才が予見するコロナ後の人類 ユヴァル・ノア・ハラリの緊急提言を読み解く

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ユヴァル・ノア・ハラリ/イスラエルの歴史学者。1976年生まれ
『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』の3部作すべてが世界的なベストセラーになっている歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリの新刊『緊急提言 パンデミック——寄稿とインタビュー』が刊行された。
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が最初のピークを迎えた時期に書かれ、語られた内容をまとめた本書には、「ウイルスが歴史の行方を決めることはない、それを決めるのは人間である」という、人類とその未来に対する真摯なメッセージが込められている。
出口の見えない困難な状況にあって、私たちがなすべき選択とは何か。ハラリの発するメッセージは暗闇に差す一筋の光であるといえる。『緊急提言 パンデミック——寄稿とインタビュー』より、本書の訳者であり、3部作すべての翻訳も手がけた柴田裕之氏による「訳者あとがき」をお届けする。

パンデミックに対するハラリの見解

『緊急提言 パンデミック——寄稿とインタビュー』は、世界的ベストセラーとなった『サピエンス全史——文明の構造と人類の幸福』、『ホモ・デウス——テクノロジーとサピエンスの未来』、『21Lessons——21世紀の人類のための21の思考』3部作の著者で歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックという一大危機を人類が迎えるなかで緊急に発表した見解を収録したもので、日本オリジナル版だ。

前半は「タイム」誌と「フィナンシャル・タイムズ」紙と「ザ・ガーディアン」紙への寄稿で、訳文は本書の版元である河出書房新社の「Web河出」ですでに全文公開している。このWeb公開には非常に多くの反響があり、累計アクセス数は55万回を超えているとのことだ。そして、コロナに関するハラリの記事や発言内容は、ニュース番組などでも取り上げられてきた。

後半はNHKのETV特集のインタビューだ。最初は今年の4月11日にインタビューの一部が、アメリカの国際政治学者イアン・ブレマー氏、フランスの経済学者ジャック・アタリ氏のインタビューとともに「パンデミックが変える世界」として放送された。そのときにハラリの発言がとりわけ大きな反響を呼んだため、4月25日に、今度は「ユヴァル・ノア・ハラリとの60分」として、1時間の番組をそっくり費やす形で、ハラリのインタビューの全貌が紹介された。

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