こうしたミスマッチ退職を極力減らすためにも、職種別採用を選ぶ会社は今後ますます増えることでしょう。通信大手のKDDIが2022年度の新卒採用枠の半数を「WILLコース」と命名した職種別採用で行うことを発表していますが、同様の取り組みを行う企業のニュースを頻繁にみるようになりました。この動きは大きく拡大していくことでしょう。
職種別採用のリスク
ただ、企業は職種別採用を若手社員の離職防止のための効果的な一手、とだけ考えているのでは足りないでしょう。職種別採用が会社にもたらすインパクトへの対策も、講じておく必要があります。
職種別採用はいわゆる「ジョブ型」採用なので、入社後もジョブ型でキャリア形成できる人事制度が必要になります。そこではジョブ型のリスクを享受する覚悟が必要になります。
ジョブ型のリスクとは、ずばり、社員の会社に対するロイヤルティーの希薄化です。会社のビジョンより自分の仕事内容。組織の成長ではなく自分の報酬が優先されることを容認することになります。
会社が優秀な社員を引き留めるには、提供できるミッションや報酬を高める努力が必要です。希少性の高い職種では、年収を上げていかなければいけなくなります。ジョブ型では明記しづらい仕事が抜け落ちるリスクも生まれます。
こうしたデメリットがあるから職種別採用をやめるべきと言いたいのではありません。全社的な働き方の変革の機会と捉えて取り組む覚悟をもって取り組めるかどうか。そんなタイミングに来ていると捉えられるかどうかで、会社の将来が大きく変わっていくかもしれません。
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