「新卒で専門職」採用に急激に傾く企業のホンネ 今までどおりでは20代若手の採用は厳しくなる

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ある小売業の会社のケースです。ECサイトを強化するためDX推進室を立ち上げました。ところが、社内にはDXの推進をリードできる社員が1人もいません。外部コンサルティング会社に必要な人材を見立ててもらったところ、最低3人はプロジェクトマネジメントができる社員を採用すべきと報告書があがってきました。

そこで人材紹介の会社に依頼して探したところ、候補者の希望年収は1500万円を超えており、社内の報酬テーブルに合わない破格な条件をオファーしなければ候補者の検討テーブルにさえのぼらないことが判明しました。しかも、入社が確定した場合に支払う手数料は500万円以上。3人採用するためにかかる費用を計算すると、ちょっと頭が痛くなる金額です。

しかも、せっかく頭を悩ませたにもかかわらず、候補者で入社希望に至った人は1人もいませんでした。半年以上かけて誰も採用できない。いつになったら採用できるのか? 時間はかかるが新卒採用で予備軍となる人材の採用を進める必要があると痛感させられたようでした。

こうした、専門性の高い人材の予備軍を採用するならば、新卒でも総合職ではなく専門職として採用する。こうした決断をする会社が徐々に増えてきました。

より客観的な見極めが必要に

では、専門職の採用方法は総合職と同じでいいのか? すでに取り組んでいる会社に聞いてみると、従来とは違った方法を用いているようです。

例えば、プロジェクトマネジャー予備軍として専門職で新卒採用したいという場合。総合職とは違うポテンシャルを見いだす、選考方法を選ばなければなりません。入社して、いくつもの部署を経験してからキャリアを定めていけばいい総合職と異なり、ある程度、キャリアを定めたうえで採用するのです。

キャリアのゴールに対する適材になるかどうか、より客観的な見極め、アセスメントが必要になるでしょう。

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