家電廃棄物を宝に変える「都市鉱山」で攻めるDOWA

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 確かに1トン当たり金400グラム、銀2300グラムを含むなど、携帯電話は、リサイクル原料としての価値は高い。ところが、素材としての携帯電話1トンを確保するには1万個が必要になり、これが集まらないのだ。小坂でもリサイクル原料全体の数%を占めるにすぎない。

実際、携帯電話の回収は全国で年1300万台から足元617万台まで低下。機種変更をしても手元に置き続けるケースは多く、燃えないゴミとして一般廃棄物とともに捨てられる場合もある。

そこで経済産業省はこの冬、「たんすケータイあつめタイ」を実施した。家電量販店など1800店が参加、抽選で5万円の商品券が当たる仕掛けも受け、全国で56万台以上を回収した。

「個人情報流出を防ぐために、各店舗でお客さんの目の前で穴開けも行った。たまると製錬会社に出したが、一部は手分解まで行うケースもあった」(河本健一・経産省環境リサイクル室長)。来年度の実施予定はないが今後も回収の支援は続けていく考えだ。

資源調達の面では、廃棄物処理法の壁も厚い。デジカメなどの小型家電は一般廃棄物として処分され、自治体での処理が義務づけられているため外部に出てこない。そのため、小坂では国内分だけでは足りず、米国や東南アジアで集めたリサイクル原料も炉に入れている。

来年1月には、中国版家電リサイクル法が施行になる。それを見据え、今年4月には住友商事、現地資本・緑天使と合弁で天津に家電リサイクル会社を設立した。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事