家電廃棄物を宝に変える「都市鉱山」で攻めるDOWA
また、今年12月には、亜鉛リサイクルも始まる。電炉のダストから亜鉛を取り出す計画で、製錬事業を統括するDOWAメタルマインの山崎信男社長は「CO2対策に取り組む鉄鋼メーカーに対し、われわれも亜鉛の再資源化で協力する。コンビナートを造り上げないと、リサイクル製錬は進まない」と説明する。
こうした先手先手の取り組みにより、DOWAが取り出す金属には国内首位品も多い。たとえば、液晶に使われるインジウムや半導体用途のガリウムなど。銀も伝統的に強い。脱・鉱石による生産量減少で、日鉱金属と三井金属の合弁である「パンパシフィックカッパー」に並ばれはしたが、依然首位級だ。電気亜鉛も首位を維持している。
今後のさらなる成長のカギは集荷力だ。が、ここでもDOWAに利がある。それはサンプリングの精度の高さだ。電子基板などの原料は破砕され、サンプリング調査によって回収金属の含有量を見積もるのだが、その精度の高さは、工場など端材の供給側にとっては買い取り価格査定の的確さを意味し、高評価を得る。
携帯電話の回収増に期待 中国でも廃家電回収へ
都市鉱山の象徴的存在といえば携帯電話だ。DOWAの関屋宇太郎・小坂製錬総務課長も「携帯電話は金の含有率が高いので、入ってくれば使う」と話す。が、実際にはあまり使われていない。