コロナ禍で積極採用、タクシー大手が狙う果実 業界2位の国際自動車社長が語る生き残り方

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――近い将来、タクシーの自由化やライドシェアの解禁、自動運転時代の到来といった、“大きな変化の波”が業界に訪れる可能性が高い。

ライドシェアにしても、自動運転にしても東京発というよりは、地方からそういった取り組みがスタートしていくんじゃないかな、とは考えています。とはいえ、規制や安全面など越えるべきハードルがまだたくさん残されているのも現実です。

そんな中でタクシーを選んでもらう意味を求めていくと、やはりサービス面になってくる。鉄の箱が迎えにきて目的地に運んでもらうだけというのはあまりに寂しいし、そういう会社は淘汰されていくでしょう。

例を挙げるなら、お年寄りの方や体が不自由な方のアテンド、有事の際のサポート、フードデリバリーといったサービスの需要は必ず伸びてくる。繰り返しになりますが、サービス面の向上のためには根本的な人材育成が必須です。そういった未来を見越して、長い時間と費用をかけて人材に投資してきたことが生きてきます。

自動運転時代のタクシーが果たすべき役割

――今後タクシー業界に必要なことは何でしょうか。

10年、20年スパンの未来でいえば、タクシーも自動運転時代は遅かれ早かれ訪れるでしょう。すでに世界各地では自動運転の実験も行われているようですが、日本もインフラ整備の問題がある。それでも自動化の波は避けられないでしょう。

では、その時代が来たときにタクシーが果たすべき役目は何か。やはりいかに付加価値を見出すか、という点に尽きると思います。福祉や介護、運送の場面などでもサポート役として、乗務員のホスピタリティがより重要になってくる。

一般的にはお客様第一主義というほうが正しいんでしょうが、当社の場合は社員第一主義を掲げています。どれだけ会社が研修などでホスピタリティを謳っても、1人のドライバーの行動=会社のイメージとなる。会社が社員を大切にして、幸せにしないといいサービスは生まれません。これからの時代にこそ、原点を大切にしていきたいです。

栗田 シメイ ノンフィクションライター

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くりた しめい / Shimei Kurita

1987年生まれ。広告代理店勤務などを経てフリーランスに。スポーツや経済、事件、海外情勢などを幅広く取材する。『Number』『Sportiva』といった総合スポーツ誌、野球、サッカーなど専門誌のほか、各週刊誌、ビジネス誌を中心に寄稿。著書に『コロナ禍の生き抜く タクシー業界サバイバル』。『甲子園を目指せ! 進学校野球部の飽くなき挑戦』など、構成本も多数。南米・欧州・アジア・中東など世界30カ国以上で取材を重ねている。連絡はkurioka0829@gmail.comまで。

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