TiKToKで若者大ウケ「異色タクシー会社」の正体

苦境を打開するための大胆すぎる経営戦略

さまざまな独自企画を打ち出す三和交通。同社を率いているのが吉川永一社長だ(写真:筆者撮影)

タクシー業界にとって、2020年は受難の年となった。都内の複数のタクシー会社の代表に話を聞いても、「リーマンショックどころか、過去最低水準の売り上げ」と口を揃える。

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そんな明るいニュースが乏しい業界の中で、ある企業のSNS戦略が注目を集めている。横浜に本社を置く三和交通の名前を聞いたことがなくても、ネクタイ姿で全力で踊る「TikTok(ティックトック)おじさん」のコミカルな動画を見たことがある方はいるのではないか。

10代の学生を中心に“バズりまくった”動画の再生回数は数百万に及ぶものもあり、多くの情報番組でも癒やし系動画として紹介されている。

DA PUMPのミュージックビデオにも出演

そんな三和交通のTikTokに登場するのは、取締役部長の溝口孝英氏(56歳)と渉外係長の森嶋幸三氏(57歳)の2人だ。高齢化が進むタクシー業界にあって、少しでも若い人たちに訴求したい――。そんな想いから取り組みをスタートさせたと溝口氏はいう。

TikTokへ投稿した動画。ダンスを踊るのは溝口孝英氏(左)と森嶋幸三氏だ(写真:TikTokの画面をキャプチャ)

活動は自社にとどまらず、昨年には、歌手DA PUMPの『Fantasista~ファンタジスタ~』のミュージックビデオにも2人で出演しているというから驚きだ。

「私は人事担当でして『採用活動につなげたい』と思い、2019年の2月ごろから撮り始めました。この会社は何となく面白そうと思ってもらえればいいな、と。

最初はできるか不安もありましたが、やっているうちにだんだん楽しくなってきちゃったんですね。実は出演動画はすべて一発撮りの真剣勝負。年齢も年齢なので体力のこともありますから。

実際に面接していても、『動画見ました』と言われる方が多いんです。街を歩いていても、女子中高生から『TiKTokの方ですよね? 写真撮ってください』と結構な頻度で言われるようになった。踊り始めたことで、ちょっとした街の有名人になりましたよ(笑)」

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