タクシーで10年働く「お嬢様」の意外すぎる本音

流転タクシー第8回、女性ドライバーの実態

女性ドライバーは増えているが、「タクシー=男性の仕事」という概念は根深く残る(筆者撮影)

「お姉さん、なんでタクシードライバーになったの?」

高山さん(仮名・30代)にとって、乗客からこんな言葉をかけられるのは日々のルーティン化した。時代錯誤とも取られそうな発言だが、「ほぼ100%聞かれるので、もう慣れました」と高山さんは苦笑いを浮かべる。

この連載の一覧はこちら

ドライバーになって10年。現在は都内のタクシー会社に勤務している。当時と比べて、業界に入ってくる女性の数はずいぶん増えたという。

実際、全国ハイヤー・タクシー連合会の調査によると、2020年3月末時点の女性乗務員数は1万0108人で、10年前より3割増えた。乗務員全体に占める女性比率も、2020年3月末で3.6%と10年前の2.3%から上昇した。

ただ世間には「タクシー=男性の仕事」という概念が根深く残る。少しずつ変化は生まれつつあるが、乗客の認識は以前のままだ。そのギャップに苦しむ女性ドライバーは少なくない。

何不自由なく育った学生時代

「地方ならまだしも、これだけ仕事が選べる東京で、若めの女性ドライバーは珍しいんでしょうね。物珍しさからか、お客さんは私のことを根掘り葉掘り聞いてくるんですよ(笑)。

これまでしてきた仕事の中でも、タクシーは一番居心地がいいんです。それは間違いない。向き不向きはあると思いますが、女性が活躍できるフィールドは十分にあると思います」

東京都立川市で生まれ育った高山さんは、いわゆる「お嬢様」として幼少期を過ごした。中学、高校と有名私立に進み、両親からの愛情を受けて何不自由なく育った。だが、きらびやか同級生たちに無理やり合わせる学校生活にストレスがたまっていった。

いじめにあったり、学力的な問題を抱えていたりしたわけではない。ただ、周囲からは「協調性がない」との烙印を押されたという。そんな学校生活になじむことができず、高校では不登校の寸前までいった。

次ページ「早く社会に出よう」と考えた
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 見過ごされる若者の貧困
  • iPhoneの裏技
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT