「高学歴の真の価値」を知る人と知らない人の差 自分にとっての「最適」を探す旅こそが人生

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したがって、Kすけさんが期待するような「いい学歴=将来楽ができる」という構図はそもそも幻想でしかありません。

ですから、いい学歴を得るためだけに浪人をしてご自身の貴重な時間やお金を費やす価値があるかは慎重に考える必要があります。

そもそも論として、いい学校やいい学歴というと、世間一般的には偏差値が高い学校、という意味とイコールに捉えられますが、「いい」か否かは個々人の目的や何を求めるかによって変わります。

つまり、いいか否かを判断するのは自分自身でしかなく、その判断基準も自分が何を目的として大学生活で何を成し遂げたいかによるのです。

偏差値とは冒頭に申し上げたとおり、暗記を中心としたゲームにおける優劣でしかなく、その順位なりが未来永劫変わらないというわけではありません。

世間一般の尺度ではなく、自分が何をしたいか

その意味で言うと、一般的な意味でのいい学校(=偏差値の高い学校)の「いい」は、人間としての優劣や仕事におけるスキルという側面での優劣とはなんら関係のない尺度における「いい」であり、そこに価値をどの程度見いだすかはご自身でよく考えるべきです。

同様に、「なんか資格でも」と書かれていますが、何か資格を取ったから将来活躍できるのではありません。何かしらの分野における有資格者が圧倒的に不足していた時代は、資格の取得そのものがある程度価値となりましたが、もはやそのような分野は存在しません。

ですから資格取得がゴールではなく、何かしらの目的を達成するための手段の1つが資格取得である、という位置づけであるべきなのです。ここでも学歴やどの学校を選ぶか同様に、目的ありき、なのです。

頂戴した相談を拝見するに、Kすけさんはまだ人生や職業上の目標などがないがゆえに、なんとなくよさそうな学校に入ったり、資格取得することで道が開けるのではないか、という思考になっているようです。

そうではなく、究極的に考えるべきは、「どんな人生を送りたいか」であり、その中で「仕事をどう位置づけるか」です。そのようにすれば自分は仕事に何を求めるか、どんな仕事をしたいかが、おのずと決まってくる。

そしてそれが決まれば同様に今何をするべきか、つまりどんな学校に行くべきかや、どんな勉強をするべきかが明白になってくるはずです。

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