2000年は「法廷闘争」の舞台に
フロリダ州は前回の大統領選で、トランプ氏が11万票(1.2ポイント)の僅差で獲得した激戦区だ。投票日前日の11月2日時点で、政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した世論調査平均では、バイデン氏に0.9ポイントのリードを許していたが、開票結果では約38万票(3.4ポイント)上回って連勝した。
2000年に共和ブッシュ、民主ゴア両候補が数百票差でせめぎ合い、法廷闘争に持ち込まれたこともある接戦続きのフロリダ州では「圧勝」(地元紙マイアミ・ヘラルド)と受け止められた。フロリダ州を落とすと後がなかったトランプ氏は踏みとどまり、その後の一方的な「勝利宣言」への地ならしになった。
この票差はどこから来たのか。
トランプ、バイデン両氏の得票傾向を67ある郡ごとに2016年と比べてみると、大きな差はほとんどない。そのなかで突出しているのが、最南端の大都市マイアミの南半分をカバーするマイアミ・デイド郡だ。
この地で前回29.4ポイントも水をあけられたトランプ氏は今回、約20万票も上積みしてバイデン氏に7.3ポイント差まで迫った。この上積み分が票差の大半を占めたことになる。
カギを握ったのは、フロリダ州では4人に1人を占めるヒスパニック票だった。
CNNの出口調査によると、トランプ氏が2016年はフロリダ州で35%にとどまっていたヒスパニック系の得票は今回、50%近くに急伸している。ヒスパニック系の支持が拡大した背景にあるキーワードは「反社会主義」だ。
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