トランプの「マスクをしない」心を操る再選戦略

日本人が知らない「狂ったアメリカ」驚愕の真実

アメリカの人々はなぜ「マスク」の着用を嫌悪するのか(写真:AP/アフロ)
トランプ大統領に代表されるように、アメリカでは「マスク」の着用を拒否・否定する人が多く存在する。彼らはなぜ「マスク」の着用を嫌悪するのか。日本人が理解できない彼らの思想・信条について、『現代アメリカ政治とメディア』の著者でNY在住のジャーナリストである津山恵子氏が解説する。

ホワイトハウスが感染拡大の震源地

アメリカは、新型コロナウイルス感染の夏の第2波を抑え込むのに失敗した。寒くなって第3波が襲いかかってきている。多くの企業が、来春までの自宅勤務を決定し、本格的な経済回復がいつになるのかは、不透明だ。

『現代アメリカ政治とメディア』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

アメリカが、新型コロナに翻弄される深刻な事態になった一要因は、「マスク」の着用を拒否・否定している国民が多くいるためと言っていいだろう。11月3日に投開票のアメリカ大統領選挙直前なだけに、この「マスク問題」が、選挙戦にも大きな影を落としている。

国家のトップであるトランプ大統領を始め、白人、保守派、リバタリアン、信心深いキリスト教信者など多くの人が、マスク着用を拒否し、その有効性を否定している。このため、だらだらと感染率が高い状況が続いている。

トランプ大統領は10月2日、メラニア夫人とともにコロナ検査で陽性になったとツイッターで発表。同日、ワシントンDC郊外の陸軍病院に入院し、「症状が出た」と人々を確信させた。ホワイトハウス内で人工呼吸器を使用したことも明らかになった。ところが、同月5日にはスピード退院。同月12日には「検査で陰性が2日続いた」として、フロリダ州で数千人が集まる選挙集会に「マスクなし」で復帰した。

ホワイトハウスの側近と関係者の少なくとも29人に感染が確認され、本人らと濃厚接触があった人々が一斉に自主隔離に入った。トランプ氏とホワイトハウス、つまり政権そのものが「スーパー・スプレッダー(超感染拡大者)」と化した恥ずべき事態だ。

大統領報道官と補佐官3人、そして記者会の記者・フォトグラファーも4人感染が確認された。ネットワークテレビ局CBSのポーラ・リード記者は、怒りのツイートを発した。

「ホワイトハウスのブリーフィングで、マスクを着用しない2人(注:大統領報道官と補佐官)に近接した所に座っていた。彼らは現在新型コロナ検査で陽性になった。だから、私は自宅勤務して定期的に検査を受けている」

ところが、トランプ氏が12日にフロリダ州、13日にペンシルベニア州、14日にアイオワ州で開いた数千人の選挙集会では、マスクをしないトランプ氏の絶叫節演説に、マスクをしていない参加者が、歓声を上げている。つまり飛沫を交換している訳だ。

次ページマスクをめぐって殺人まで発生
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「ニッポン半導体」敗北の真相
「ニッポン半導体」敗北の真相
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT