「起業家が育たない日本」はまともな社会だ 「ジョブズとトランプの価値観」が実は同じ理由

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日本人はシリコンバレーの起業家に憧れがちだが……(画像:まちゃー / PIXTA)
アメリカという国家の価値観がどのように出来上がってきたのか。500年の歴史からひもといた『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』がこのほど刊行された。アメリカを支えてきた価値観はどこから来て、どこへ行くのか。『[新版]〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実』の共訳者でもある筆者が読み解いていく。

現実と幻想の区別がつかない国民性

そうだろうなと薄々感じていたことなのに、それを明快に論証されると、かえって驚くようなことがある。

『ファンタジーランド』とは、まさにそういう本だ。

『ファンタジーランド:狂気と幻想のアメリカ500年史』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

本書のテーマは、次のように要約される。

「トランプ政権の『ポスト真実』『もう一つの事実』は、一般的には、不可解で常軌を逸したアメリカの『新たな』現象だと考えられている。だがこれは、アメリカ史全体を通じて(実際にはアメリカ史が始まる前から)受け継がれてきた意識や傾向から当然導き出される結果なのである」(『ファンタジーランド 上』、p17)

トランプ政権を生み出したのは、アメリカ人の国民性である。その国民性とは、現実と幻想の区別がつかないということだ。

驚くなかれ、アメリカとは、次のような世論調査の結果が出る国なのだ。

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