わかったらすごい「TravelとTrip」の微妙な違い Go To Travelは間違っているし、あっている?

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さてサンクスギビング、もう1つ有名なのがブラックフライデーですね。これは実はサンクスギビングの習慣と直接の関係はなく、クリスマスプレゼントを買い始める時期が11月の終わりごろであることから、いつの間にかアメリカでサンクスギビングの金曜は1年で最大のセールの日、という習慣ができあがりました。最近ではサンクスギビング明けの月曜にeコマースサイトが実施する「サイバーマンデー」というのも人気になっているようです。

そう考えるとクリスマスというのは海外の年中行事としては非常に大きなものです。コンシューマー向け製品を扱っている会社ならばこの時期は「Holiday season」といって、目玉の新製品を発表したり、年1回の大セールをやることが慣例となっています。

ちなみに近年はビジネスシーンでは「クリスマス」とは言わず「ホリデーシーズン」といいます。理由は、Political Correctnessという考えで、宗教的にニュートラルな表現がふさわしいだろうという多様性に配慮したものですね。公共スペースに設けられるクリスマスツリーのことを「ホリデーツリー」と呼んだりすることもあります。

海外で連休以外にも長期休暇を取れる理由

さて、ちょっと話を旅行に戻します。日本では大型連休=旅行シーズンということで、「Go to Travel」の予約サイトが給付金を使い切ってしまう問題が出るほど年末年始の旅行が人気なようです。カナダやアメリカではサンクスギビングの連休に旅行する人もあるのですが、この休みは家族が実家に集まって過ごす期間というイメージが強いです。日本でいうとお盆に親戚が集まって法事をする、あんな感覚です。

ではいわゆる「観光旅行」はどのタイミングでするのか? これはこうした連休とは別に「バケーション」を各自が取るという考え方です。春、夏、秋、あるいは冬。行きたい時期に自分の仕事を調整して、1週間以上の休みをしっかり取るのは働く人の当然の権利と考えられています。仮に連休に旅行に行ったとしても、さらにそこから1週間程度の休みを取って長い休みを楽しみます。

日本では有給休暇を消化しきれず、年度の切り替えで「消滅」してしまう人もいると聞きます。ここはなんとかしたいものです。これは「長時間働くことが会社にとっての貢献が大きいこと」という発想が根底に残っているためでしょうか。短期間に成果を出し、評価を得られる制度になっていれば、余裕のある休みを堂々と取れるようになると思いますが、簡単にはいかないなにかがあるのでしょう。

海外ではいわゆるジョブ型雇用が基本なので、出すべき成果が出せていれば時間には縛られる必要がなく、長く働くこと自体はとくに評価にはつながらないです。これはなんだかんだ言って欧米と日本のビジネスの最大の違いといっていいのではないでしょうか。私もちゃんと成果を出して今年の冬は家族と温泉にでも行けるよう、もうひと頑張りです。

デビット・ベネット テンストレント最高顧客責任者

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David Bennett

1979年にジャマイカで生まれ、カナダ国籍を持つ。カナダトロント大学大学院卒。早稲田大学にて日本語を習得、学習院女子大学大学院にて日本古典文学を学ぶ。東京でコンサルタントとして社会人キャリアをスタート。AMD社コーポレートバイスプレジデント、および同社のレノボアカウントチームのゼネラルマネージャーを務め、コンシューマー、コマーシャル、グラフィックス、エンタープライズプラットフォームなど広範な事業を手掛ける。2018年5月レノボ・ジャパン社長に就任、2022年6月から現職。古典文学が好き。

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