みなさんこんにちは「デビット」です。Davidと書いてデビットと呼んでもらっています。実は、このコラムがスタートして以来、担当編集者には自由に書かせていただいていますが、ついに(?)リクエストをいただきまして、それは「なんでデビッドでなくデビットなのか? 結構聞かれるので、1回説明してもらいたい」とのことでした。
そこで今回は、外国人の名前にまつわるエピソードをいくつか紹介したいと思います。まず、編集者の質問に答えますと、Davidなので基本的にはデビッ「ド」が正しいのだと思います。しかし私にもちょっとだけ言い分があります。五十音に出てくる「ド」は漢字の「度」などで、声帯を震わせて「ド」と発音する有声音です。英語では「Door」の「ド」などと同じですね。
日本語の「つ」と「す」は聞き分けにくい
これに対し、「David」の語尾の「d」は有声歯茎破裂音といい、同じ有声音でも息で舌をはじくようにして発する音となり、「ッドゥ」のように発音します。この音を日本人のネイティブな耳で先入観なしに聞くと「ットゥ」という清音に近く聞こえることがあるようです。「ットゥ」は声帯が震えません。喉に手を当てて発音するとそのわずかな違いがわかります。Davidの「ド」はドアの「ド」よりも「ト」に近い音なのです。
このように日本語の五十音では同じになってしまうものの、実際にはだいぶ違う音というものが外国語にはあります。LとRの問題など、日本人のヒアリングの永遠のテーマともいえる問題もここに理由があります。これは耳が五十音に置き換えて聞き取ってしまうために同じ音に聞こえてしまうということなのかと思います。
逆の話をしますと、「つ」と「す」は英語圏の人にはかなり聞き分けにくい音です。当然ながら「づ」と「ず」も(本来この2つの音は異なるもので、今でも高知県の一部の方言などでは明らかに違う音としてわけて発音しています)もまったく聞き分けられません。
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