聞き分けられないということは発音できないということであり、従って「松下電器」(Matsushita)という社名は英語ではかなり難読な名前になります。都築恒夫(Tsuzuki Tsuneo)さん、末次逸雄(Suetsugu Itsuo)さんという名前の方などは、おそらく英語圏でまともに自分の名前を呼んでもらった経験はあまりないのではないかと思います。
松下電器がもしブランドを「Panasonic」ではなく「Matsushita」に統一していたら、家電量販店の店頭で舌をかむ消費者が続出したかもしれませんね。
デビットカード的なイメージが
いきなり国語的な説明から入って脱線までしてしまいましたが、私のカタカナ名がデビッ「ト」になったのは高校時代に留学した横浜商科大学高等学校時代にまでさかのぼります。
ちなみに同校は高校野球激戦区の神奈川にあって、近年甲子園の出場こそありませんが、野球の強豪校として県内では知られています。2003年から男女共学となったようですが、私が留学した頃はゴリゴリの男子校で、しかも制服は学ランという硬派な学校でした。
実は入学して数日は言葉の違いなどあまりの環境の違いに戸惑い、男子校であることにしばらく気がつきませんでした。1週間くらいたったある日、そういえば女の子がいないような気がする、と思い先生に聞きました。その時の先生の答えがこうでした。
「デビット、ここは男子校だ」
まさに「デビット」爆誕の瞬間でした。孤独な留学生だった私に親切にしてくださったこの先生との思い出もあり、今もデビット、と名乗っているというのが私のエピソードです。
ちなみにデビットはデビットカードなどのdebitからきていると思われます。スペルはまったく違いますが、前述のとおり耳に入ってくる音としてはDavidと極めて近いものがあります。先生の耳にも「デビット」と聞こえていたのだと思います。今でも「デビット」と私が自分の名前を書くと、「なんだか銀行からお金が下ろせそうな名前だね」と周囲からいじられます。
なお、最近キャッシュレスサービス「AirPay」のCMでオダギリジョーさんが「デビッド・ジャガー!?」と叫ぶユーモラスなCMがあります。このCMをよく見るとオダギリジョーさんが持っているLPのジャケットにはDavidと書いてあるのでご本人は「デビッド」と叫んでいるはずなのですが、Googleで検索すると「デビットジャガー」でも結構ヒットします。やはりここの聞き分けは難しいようです。そしてDavidという名前はなにかとキャッシュレス決済に縁のある名前のようです。
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