(第3回)アメリカの金融危機と日本経済の関係

(第3回)アメリカの金融危機と日本経済の関係

前回述べたように、金融・経済危機とは、世界的規模での企業と国の選別過程であった。

多くの金融機関や企業がすでに淘汰された。さらに多くの企業が、極めて深刻な問題を突きつけられている。残念ながら、日本企業の大部分がこのカテゴリーに入る。国のレベルでもそうだ。いくつかの国で経済危機後の成長路線が見えてきたが、将来が大きな不確実性と不安に包まれている国も多い。残念ながら、日本は後者のカテゴリーに入る。

これほどの大きな影響をもたらした金融・経済危機とは、いったい何だったのだろうか? 一般には次のように理解されている。アメリカで住宅価格が高騰し、住宅ローンを基として作られた証券化商品に対する投資がブームを起こした。その後、住宅価格が下落に転じたためローンの債務不履行率が高まり、証券化商品の価値が急落した。これによって金融機関に損失が発生した。

損失の規模はどれほどのものだったか? IMF(国際通貨基金)の推計によれば、アメリカの銀行で総額12・6兆ドルの資産のうち約1兆ドルの損失が発生した。イギリスでは6000億ドルの損失。全世界の銀行で、全資産の5%に当たる2・8兆ドルの損失が生じた(出所:IMF「Global Financial Stability Report」October 2009)。

以上の説明は間違いではない。しかし、これだけの理解では、いくつかの疑問に答えることができない。

第一は、問題の大きさだ。1兆ドルの損失は、もちろん小さいものではない。しかし、1990年代後半の日本のバブル崩壊で銀行が被った不良債権の処理損約97兆円に比べて、格別大きいわけではない。それにもかかわらず、なぜ全世界を巻き込む危機に発展したのか?

第二は、日本との関係だ。問題はアメリカで起こった。しかも金融機関で起こった。他方で、日本の経済活動は製造業を中心とする「堅実な」ものであり、アメリカの金融機関の無謀な投機とは無関係なものであった。それにもかかわらず、なぜ日本経済が大きな打撃を受けてしまったのか? 多くの日本人にとって、これがいちばん理解に苦しむところだ。

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