「女性管理職の比率が高い」企業ランキング100 30%の政府目標にどれほど到達できたのか

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女性管理職比率が83.3%のスタジオアリス

2012年12月から7年以上続いた安倍晋三政権が幕を閉じ、菅義偉新政権が誕生した。今となっては懐かしく感じられる「アベノミクス3本の矢」。この第3の矢である「成長戦略」の中核に位置づけられたのが「女性の活躍」だった。

2016年4月には「女性活躍推進法」が全面施行。すでに2003年に政府の目標として存在していた「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」は企業からも注目され、女性管理職の登用を進める雰囲気が広がった。

あれからしばらくたったが、成果はどうだったのだろうか。今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2020年版(基本的にデータは2019年時点)に掲載している女性管理職比率のランキングを100位までご紹介する。掲載の1593社のうち女性管理職比率を開示している1352社が対象。なお、『CSR企業白書』2020年版には400位まで掲載しているのでこちらも参考にしてほしい。

業種で女性管理職比率に大きな差

まず、全体像を見ておこう。2019年の女性管理職比率の平均は7.7%だ。2016年は6.3%、2017年6.9%、2018年が7.5%と、着実に増加してはいるものの、30%にはまったく届いていない。

『CSR企業総覧2020年版[雇用・人材活用編]』(東洋経済新報社)書影をクリックすると販売サイトにジャンプします

業種別(2019年)では、保険業21.2%、サービス業16.8%、銀行業15.9%、小売業12.9%などの比率が高かった。一方で、パルプ・紙1.8%、金属製品2.1%、鉄鋼2.1%、輸送用機器2.2%は低かった。このように業種による差も大きく、とても合格点とは言えないだろう。

続いて、個別のランキングをご紹介しよう。1位は東京を中心に国内外で料理教室を展開しているABC Cooking Studioで97.9%(女性管理職190人、以下同)。従業員数も1235人中、女性が1172人と女性比率は94.9%と高い。女性の部長比率も94.7%と高く、女性活躍が進む企業と言えそうだ。

2位は化粧品メーカーのシーボンで87.5%(119人)。上場企業ではトップだ。女性従業員数は984人で、女性比率が91.9%。女性の活躍が成長の原動力と考え、事業活動を通じて、女性の幸せで明るい生き方を応援。1日8時間未満で週に4~5日働く「ショートタイム正社員制度」や、65歳までの定年延長などの幅広い制度を導入している。

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