3位は美容脱毛専門サロン運営のミュゼプラチナムで83.5%(86人)。従業員の女性比率は98.8%(4037人)とほとんどが女性の職場だ。同社の全サロンに1人ずつの障害者雇用を目標にするなどダイバーシティの展開も進めている。
4位は子ども向け写真館最大手のスタジオアリスで83.3%(100人)。部長比率も70.0%と高い。今後は役員比率を現状の26.7%から40%に上げることを目指す。
以下、5位ニチイ学館78.5%(2964人)、6位しまむら59.5%(1563人)、7位トレンダーズ56.3%(9人)、8位HAPiNS 55.6%(15人)、9位パソナグループ53.0%(705人)、10位ハーバー研究所50.0%(9人)と続く。
対象1352社のうち30%を超えているのは38位の千葉銀行まで。20%超は96位のブランジスタまでと、女性管理職はまだ少数派であるようだ。
人数のトップは49位みずほフィナンシャルグループ4923人(26.8%)。5年前の1620人から約3倍となっている。ほかに43位イオン3347人(28.3%)、5位ニチイ学館2964人、48位セブン&アイ・ホールディングス2558人(27.1%)などが多かった。
「女性管理職比率30%」は可能なのか
このようにランキング上位は、もともと女性比率の高いサービス業などが多い。製造業などはいまだに女性従業員が少なく、管理職の候補探しに苦労しているという声もよく聞く。まだ長期雇用が中心の日本企業では、新卒採用から増やしていかなければ候補は増えにくい。成果を出すには長い時間がかかりそうだ。
東洋経済CSRデータの集計(対象883社)では2019年時点の年代別女性従業員数の40代は23万661人。男性は64万6771人で女性比率は26.2%。同じく50代は15万5793人で20.7%しかいない。
10年前に管理職候補だった40代、50代でこの程度だ。「女性管理職比率30%」は実際にいる女性社員の比率以上が求められており、もともと実現性は低かった。
ただ、その下の若い世代は30代29.6%(23万3902人)、20代35.0%(21万2430人)と厚みを増している。この世代を着実に管理職として育成していくことが女性管理職比率の向上には欠かせない。
とはいえ、『CSR企業総覧』に掲載している上場企業などで、いきなり30%を目標にするにはハードルが高すぎる。ここ数年の動きを見ても現時点の目標は10%程度が現実的だ。「管理職10人のうち1人が女性」。これも決して簡単な数字ではない。ここに早期に到達できるよう各企業の積極的な取り組みに期待したい。
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