日本のオンライン診療「残念」なほど後れる実態

医師の責任や個人情報の問題は本当に障害か

このままでは日本人の医療サービスはまるで便利になりません(写真:SetsukoN/PIXTA)
昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第23回。

世界では、コロナでオンライン診療が急拡大

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、世界の各国でオンライン診療が急速に進みました。

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日本でもコロナ期間中の特例として規制緩和をしたのですが、実態は進んでいません。そして、緊急事態宣言が解除されたいま、元に戻りそうです。

導入できない理由としていろいろなことがいわれますが、納得できるものではありません。患者が声を上げ、医療制度を改革していくことが必要です。

日本ではこれまでは通院中の患者に対してしか認められていなかった「オンライン診療」が、4月10日以降、初診から利用できるようになりました。

PC(パソコン)やスマートフォンなどで医師の診断を受け、支払いはクレジットカードで。病院から薬局に処方箋が送られ、最寄りの薬局で薬を受け取ることができます。

院内感染を回避することができるうえ、通院途中での感染の危険も防止できます。また、病院で長時間待たなくて済みます。

もともと要請が強かったものですが、コロナ感染の広がりに伴って要請がさらに高まり、これまであった制約が緩和されたのです。

オンライン診療は、世界各国で急増しています。

アメリカでは、2020年の診療回数が、感染拡大前の予想の30倍近くに増えると見通されています。

この原因としては、次のようなことがあります。

第1に、新型コロナウイルスの感染拡大で、病院へ通うのが難しくなったこと。

第2に、新型コロナウイルス治療に集中するため、ニューヨーク市などで多くの病院が緊急以外の外来患者の受け入れを中止したこと。

第3に、医療保険の適用を拡大したこと。アメリカ政府は3月、公的医療保険メディケアにおいて、オンライン診療の保険適用範囲を大きく拡大しました。州政府も民間保険会社に保険の対象とするよう指示しました。

イギリスでは、国民医療制度(NHS)が、バビロン・ヘルス社の開発したオンライン診療アプリに保険を適用しています。

このアプリには、人工知能(AI)による症状の分析とオンライン診療の2つの機能があります。軽度の症状の診察はAIが行い、本格的な診療や薬の処方はオンライン診療が行います。

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