「現金大国ニッポン」の根強さを示す決定的証拠 キャッシュレス推進派に不都合な真実

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コロナ禍によって加速するかに思われたキャッシュレス決済の利用。しかし、データからは真逆の実態が浮かび上がる(写真:kotoru/PIXTA)

いよいよ6月いっぱいで終了する「キャッシュレス・ポイント還元事業」。クレジットカードや電子マネーなど、現金以外の方法で支払いをすると、購入価格の最大5%分が消費者に還元されるという制度だ。

この“ご褒美”は、日本国民の行動様式を劇的に変えたのか。結論を先に言うと、残念ながらそうではなかった。相変わらず現金決済は鉄板だったようだ。

還元効果は増税直後で一巡

市場調査会社のインテージは、昨年10月の消費増税の前後、そして新型コロナ禍によって、消費者が日用品購入の際に使用する決済手段がどう変わったのかを調査したレポートを公表した。

調査対象は、全国の15〜79歳の男女3万2000人のモニター。スーパー、コンビニ、ホームセンター、ドラッグストアや100円ショップなどで、日用品を購入する際、どの決済手段を使ったかの情報を、スマホアプリや専用端末を使って収集した。

あくまで日用品の購入を対象にしているので、大型家電や家具、衣料品、そして外食は含まれていない。

調査期間は、増税前の2019年7月16日〜8月18日の1カ月間、増税後の10月1日〜31日の1カ月間、そして新型コロナ禍の影響を折り込んだ2月10日〜6月21日のおよそ4カ月強。収集したデータから、「利用率」「金額シェア」「回数シェア」を算出している。

「利用率」は、調査期間中の利用者数を、調査期間中に買い物をした人の総数で割って算出したもの。1人が複数回買い物をしても1人としてカウントし、1人が複数の決済手段を使用していると、それぞれの決済手段にカウントされる。

例えば、1人の消費者が現金とクレジットカード両方を使えば、それぞれの決済手段にカウントされるため、各決済手段の合計は100%を超える。

次ページそれではデータを見てみよう
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