「全裸監督」ドラマPが伝授する不安のしのぎ方 「ストーリー力」で時代を捉え人生を再設計

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多くのストーリーに通用する「基本的なストーリーの構造」というものがあります。それは図に表すと以下のようなものです。

(出所)筆者作成

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

私はこの基本的なストーリーの構造に7つのポイントをつけているのですが、ほとんどのストーリーがこのような構造を取っていると言われても、にわかには信じられないかもしれません。例えば映画の「ドラえもん」は、シリーズを通して大体同じようなドラマカーブを描いて作られています。

(出所)筆者作成

いかがでしょうか? なんとなくイメージできますでしょうか?

自分がこれまでに見た作品や、自分の好きな作品を思い出して自分なりにドラマカーブを作ってみてください。ほとんどの作品がこのような構造を持って作られていることに気づくと思います。

深い「底」からの「再起」こそ満足度が高い

上記の図で一番重要なポイントはどこかというと、一度「ボトム」に落ちて、そこから何らかの形で再起して、クライマックスへ至ることです。エンターテインメントでは、この「ボトム」と「クライマックス」の高低差がある意味での満足度に直結します。なので私たちストーリーメイカーが物語を作るときには、いかにボトムを落としクライマックスを上げるかということを考えていくのです。

ボトムを深く落とすために、主人公に立ちふさがる敵が現れたり、仲間が犠牲になったりと、主人公が果たすべき目的に障害を作ります。そして何らかの形で復活、再起する瞬間を作り反転、そこから何かを成し遂げるクライマックスに向かいます。

ストーリー作りにおいて、このボトムから「どうやって再起するか」の描き方がとても重要です。皆さんも経験ないでしょうか? 映画などで、あんなに勝ち目がなさそうだった敵を、さくっと復活して倒して興ざめしたような経験。私自身ストーリーにしらけるのは、そうやって「再起」する瞬間がおざなりに描かれているときのことがほとんどです。

次ページ「再起」に向かうV字構造の仕組みを知る
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