外食企業の売上高を左右する2つの要素
長期の休業を余儀なくされるなど、外食産業は新型コロナウイルスの影響を最も強く受けた業界の1つだ。テイクアウト形態へのシフトなど「新しい生活様式」に対応したスキームで復活するか、店舗の改廃でしのぐか、あるいは――。今後明らかになる外食各社の業績から目が離せないが、そのうえでカギになるキーワードは2つある。「既存店売上高」と「FLコスト」だ。
外食企業の売上高の大小は、大きく2つの要素で決まる。1つは新規出店や閉店による店舗数の増減。そしてもう1つは、すでにある店舗の売上高だ。
後者は既存店売上高と呼ばれる。開店から1年以上が経過した店舗の売上高を毎月集計し、前年同月との比較を公表する企業が多い。「6月の既存店売上高は前年同月比102%」といったら、月間売上高が前年の6月と比べて2%増えたことを意味する。
既存店売上高とともに全店売上高を公表する企業も多い。開店したばかりの新店を含めたすべての店舗の売上高を、前年同月と比較したものだ。新規出店が多ければ多いほど売上高は大きく伸びる。
ただ、新規出店した店舗は、物件取得や従業員の採用などに伴う初期費用が重いため、利益を生み始めるまでに時間がかかる。その間にも発生し続ける、店舗の家賃や人件費などの固定費を回収するためには、既存店で稼ぐことが欠かせない。既存店売上高がより重視されるのはこのためだ。
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