サイゼリヤが「低価格なのに儲かる」カラクリ

売上高は「5期連続」で伸び続けている

「サイゼリア」が行った画期的な店舗改革とは?(写真:Naoki Nshimura/AFLO)
日夜テクノロジーが進化する中で、ビジネスの手法、言いかえれば「儲けるための仕組み」も、どんどん変わってきている。あるサービスや企業に対して、「格安なのに、なぜやっていける?」「利用料が要らないのに、どうやって稼いでいる?」など、疑問を抱いたことのある人もいるだろう。こうした「儲けの仕組み」について、『うまくいっている会社の「儲け」の仕組み』著者の下玉利尚明が解説する。第3回のテーマは、大手イタリアンファミレスチェーン「サイゼリヤ」について。

ミラノ風ドリア299円(税込み・以下同)、ハンバーグステーキ399円、コーンクリームスープ149円、グラスワイン100円……。これらはすべて2018年12月時点でのサイゼリヤのメニュー価格だ。改めてその安さに驚く人も多いだろう。

例えば、ハンバーグステーキ。同じファミレスチェーンのデニーズには何種類ものハンバーグステーキがラインアップされているが、いちばん安い和風ハンバーグが699円(税抜)。低価格路線のガストでも、いちばん安いハンバーグステーキは449円(税抜)。サイゼリヤの、「税込み399円」がいかに安いかがわかる。

しかも、2014年に消費税が5%から8%に引き上げられたとき、ほかのレストランチェーンが増税分を価格に転嫁し、値上げする中にあってもサイゼリヤはメニュー価格の大半を据え置いた。

売上高は5期連続成長

こんなに安くて儲かるのだろうかと思ってしまうが、『会社四季報』に掲載されているサイゼリヤの売上高は、2014年から2018年までは5期連続で順調に伸び続けている。

営業利益も2014年8月期〜2017年8月期(サイゼリヤは8月決算)まで4期連続で増益。2018年8月期だけ、営業利益が対前期を下回ったが、それは円安による食材仕入れコストの上昇や国産野菜価格の高騰、人手不足による人件費の高騰などが原因。外部要因であって、サイゼリヤが本来的に持つ「稼ぐ力」に陰りはなく、2019年8月期には、2018年8月期を10%上回る予想だ。再び増収増益路線に復帰する。

あわせて、2018年8月時点でサイゼリヤは国内1085、海外384、合計1469の店舗網を持つが、とくに海外事業は利益率も高く好調。増益復帰の大きなエンジンになると考えられている。

安くても儲かるサイゼリヤの秘密はどこにあるのか。それは店舗の「コストゾーン」の縮小にある。コストゾーンとは、具体的にはキッチンだ。サイゼリヤは店舗面積に占める割合を従来比の半分にしたのだ。

サイゼリヤでは、全国に小型店舗が数多くあったが、どの店舗もキッチンの占める面積が意外と大きかったという。そこで、2015年からキッチン面積を半分にした店舗の導入を開始。すでに「キッチン縮小型」店舗は100を超えたという。

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