急増した地域防犯団体
――単刀直入に、まずは自粛警察について。どう思っていますか。
斎藤さんは1990年代から監視社会や地域の自警団についての取材を続け、『分断される日本』(角川文庫)、『ルポ 改憲潮流』(岩波新書)などにまとめてきた。これらの著作では安全活動をする団体の姿や日本の各地に広がった「安全安心まちづくり」運動から見える実情などを報告してきた。
警察庁の「自主防犯ボランティア活動支援サイト」には、全国の市民防犯団体の事例が紹介されている。事例紹介ページのタイトルには「防犯にやりすぎはない」「歩く防犯カメラが合言葉」といった言葉も見られる。
警察庁のまとめによれば、防犯ボランティア団体は、2003年に3056団体。それが5年後の2008年には4万団体を超えるまでに急増した。ただ、2011年に4万5000団体を超えてからは横ばいで、2019年は4万6135団体となっている。団体の構成員数は、2014年の277万6438人をピークに減少しているが、2019年時点でも250万3358人の登録がある。
このような防犯活動をする団体の源流について、斎藤さんはこう言う。
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