コロナで荒れる人たちが失った「大切なもの」 現代人が昔の人とほぼ変わらないという事実

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新型コロナウイルスの感染拡大が続くイタリアでも、パニック買いが発生している(写真:REUTERS/Flavio Lo Scalzo )

世界各地で感染拡大を続けている新型コロナウイルス感染症は、未知の点が多く、今もなお人々を不安にさせている。そのニュースが流れ始めて間もなく、日本での状況を心配して、イタリアから連絡をよこしてきた親戚や友達がたくさんいた。

しかし、2月下旬以降イタリアで感染が広がっていることがわかり、今度は、私のほうがイタリア北部在住の友人の身を案じるようになった。人やモノが激しく動くこの世の中では、地理的に近い・遠いというのがさほど重要ではなくなってきていると痛感する瞬間でもあった。

ミラノ、ヴェネツィアを襲った惨事

イタリアの収入の大部分を占めているのは観光だ。世界遺産がそこら中ころがっているだけではなく、デザイン、ファッションや芸術などをテーマとした大型イベントの開催地になることもしょっちゅうあるので、観光のローシーズンなんて存在しない。

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今回、感染者数が最も多いとされているミラノがあるロンバルディア州と、イタリア屈指の観光地、ヴェネツィアを擁するヴェネト州では、経済的な被害も計り知れないという。

ミラノは2月18日から24日までファッションウィークでにぎわうはずだった。ところが、日々不安が高まる中、一部のイベントは予定どおり決行されたものの、動員数は最小限に抑えられ、自粛モードが漂った。例年に比べると、ショーモデルたちのキャットウォークも心なしかそれほどキラキラしているように見えなかったそうだ。

世界最大の国際家具見本市と言われているミラノサローネも6月に延期となった。出展者や参加者の中には、参加を見合わせる人も出てくるだろう。

一方、数カ月前に、突然の洪水に見舞われたヴェネツィアも、挽回を狙っていたが、人気のカーニバルは中止となり、観光施設のほとんどが休館か入場制限の導入を余儀なくされている。祭り期間中のはずだった2月中旬は、仮装の上にマスクをつけた勇敢な観光客が街を散策していたらしいが、やはりいつもと雰囲気がまるで違っていたようだ。

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