前年同月比95%減の居酒屋業界も
狩野 史長(以下、狩野):藪ノ賢次社長が経営するクックビズは、飲食業界で働く“プロ”向けの転職を手がける人材紹介会社として、業態・業種別の細やかなマッチングにより、年間2000人の就業をサポートしています。
藪ノさん、まずは飲食業界の現状を教えてください。
藪ノ賢次(以下、藪ノ):非常に厳しく、特に居酒屋のようなアルコール業態は深刻な状況です。居酒屋系の各上場企業が発表した今年4月の売り上げを見ると、昨年4月と比べて5~10%ほどしかない業態も実際出てきました。前年同月比90~95%減という事態です。
全店舗が休業しているので仕方ないのですが、お客様同士、従業員との距離の近さ、喧騒感を売りにしているようなお店は、あえてそこを強みにしていたため、デリバリーやテイクアウトへの対応が遅れて、壊滅的に売り上げが落ちています。当社がそうした企業へ求人の営業をかけても、「そんな状況ではない」という感じですから、私たちの売り上げも足元で非常に落ち込んでいます。
三神万里子(以下、三神):そんな中でも求人をかけている業態は?
藪ノ:テイクアウトと親和性の高いファストフード業態のほか、ケーキ屋さん、パン屋さんなど、そもそも持ち帰りがほとんどという業態は、今でも求人をお預かりしています。非アルコール業態は、辛うじて求人が動いているという状況です。