「水の不要な消毒液」がアフリカに見つけた金脈 「手を清潔に」を説くサラヤの“きれいごと“
感染症対策で水の不要な消毒液を投入
真山 仁(以下、真山):「“きれいごと”が企業を成長させる」。耳に残るフレーズです。
更家 悠介(以下、更家):現実的ではないとよく言われますが、時代が「きれいごと」を求めてきているように思っています。
真山:サラヤはどういう経緯でウガンダに進出したのですか?
更家:2010年に日本ユニセフから声を掛けていただいたのがきっかけです。ウガンダは首都近郊であっても、家庭に水道がなく手洗いなしで料理したり食事したりするので、感染症が繰り返し大流行していました。そこで、「手を清潔にすることが必要」ということで、当社が手がけている水の不要な消毒液を投入することになりました。
2010年当初はチャリティーで始めましたが、毎年寄付ばかりでは続きません。これをビジネスにしてもっと普及させたいと思い、2011年に本格的に事業化しました。
真山:ビジネスとしての手応えはありますか?
更家:今、ウガンダでは採算が取れていますので、十分にビジネスとして成立しています。そもそも、全然普及していなかったので。
真山:手を清潔にする習慣が、現地にはなかったということでしょうか?
更家:そうです。院内感染や子供の下痢は、手洗いで防げるということが認知されれば乳幼児の死亡率は下がり、ビジネスが伸びてくると思いました。また、ウガンダは競合の進出が手薄なエリアで、現にアメリカ企業は参入してきていません。
真山:米系企業は大きな収益が見込める場所にしか参入しませんから、まだ市場が小さいのでしょう。
更家:なので、メリットがありますね。