「水の不要な消毒液」がアフリカに見つけた金脈 「手を清潔に」を説くサラヤの“きれいごと“
渡邊:来年にはアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の運用が開始され、アフリカ内の関税が段階的に減ると言われています。ウガンダ産の消毒液をアフリカの他の国に販売することもありますか?
更家:ウガンダの消毒液はすでに隣のケニアで販売し始めています。自由貿易圏が動き出せばさらに可能性は広がります。近い将来、世界の4分の1がアフリカ人になると言われているほど巨大な市場です。アフリカで作って売ることはさらに活発になります。私たちのヘルスケアで言うと、ウガンダでライセンスを取得したので、それをアフリカ全体での使用許可が得られるようにお願いしています。そうなるともっと容易になります。
欧米企業の参入も多いですが、高品質であることや地元の人に寄り添うなどといった日本ならではのメリットを生かしていくことで、ヘルスケアの分野がかなり伸びてくると予想しています。例えばインターネットを使ったヘルスケアやアセスメントなど、いろいろなチャンスがあると考えています。
現地の要望にどれだけ応えられるか
真山:地元に根付くという意味では、現地の要望にどれだけ応えられるかが大きいですね。
更家:それぞれ商材は違いますが、ケニアやチュニジア、エジプトなども有望です。アフリカも10年経つとごろっと変わってくるので、唾をどれだけつけておくか、という発想もあります。小さくてもいいから、やはり国に入り込んでやり取りができるということが、非常に大事だと思っています。
真山:サラヤ流の、アフリカで展開するうえでのひとつのスタイルができていますね。
更家:はい。「地元の人と一緒にやりましょう」ということです。地元の人の生活に近いところで、農家や病院と一緒にやるというのが、これからかなと思っています。
真山:最初にお聞きした“きれいごと”を、大阪の人は「“きれいごと”をいう人はうさんくさい」と思いがちです。それをあえてずっと“きれいごと”は大事だと掲げてこられた。
更家:やっぱり理解していただけるようになるのに、5年ぐらいかかりました。
真山:続けてこられたからこそ、結果的に企業哲学になっていますし、社員の皆さんの働くモチベーションにもなっているのではないでしょうか。
更家:「こんなことやりたい」と入社してくれる社員も多いです。もともと死亡率を下げて人を助けたいといった高い意識がある社員が集まってくれるというメリットも、“きれいごと”にはあると思いますね。・
(構成:二宮 未央/ライター、コラムニスト)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら