感染不安で「さわれなくなった人」の厄介な現状 コロナ禍で物がさわれない「接触障害」の深刻度

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コロナの影響で“摂食障害”ならぬ“接触障害”に悩まされている人が増えてきています(写真:fizkes/iStock)

緊急事態宣言が解除されてから数日間が過ぎた今、新たな不安を訴える人が増えています。その不安とは、新型コロナウイルスへの感染を恐れて「人や物をさわれない」こと。さらに、それによって家族、友人、同僚などとの関係性が危うくなってしまうこと。コンサルタントである私のもとにも、そんな“摂食障害”ならぬ“接触障害”に悩まされる人からの相談が届いているのです。

下記に具体的な症状を挙げていくと、まず物との接触では、

「電車やエスカレーターの手すりをさわれない」
「バスやエレベーターのボタンを押せない」
「外出先で、どのイスにも座れない」
「家のトイレしか使えなくなった」
「スーパーで他人がさわったものが買えない」
「買ったものは食料品以外もすべて洗い、アルコール除菌する」
「他人のさわったお金がさわれない」
「宅配業者から受け取った荷物を家に入れられない」
「外出先のグラスや箸などを使えない」

夫、同僚、友人に対しても…

 次に人との接触では、

「仕事から帰宅した夫をシャワーに直行させ、服はすべて洗濯する」
「電車通勤している夫には一切ふれない」
「同僚から手渡しで書類を受け取れない」
「同僚から話しかけられると逃げたくなる」
「マスクを口からズラして話す友人が嫌いになった」
「ひさしぶりに会った友人から握手を求められたが断ってしまった」
「人とすれちがうときに少しでも肩がふれるのが嫌」
「どの店に入っても、すぐに外へ出たくなってしまう」

みなさんもここまでの状態でなかったとしても、この約2カ月間、人や物との接触に気をつかい続けてきたことで、何らかの変化はないでしょうか。今後、公私ともに外出の機会が増え、人とのコミュニケーションが活発化したときに支障が出てしまう。あるいは、うつ病やパニック障害などの症状につながらないとも限りません。ここでは“接触障害”になってしまう心理と、その対処法を挙げていきます。

まずは私のもとに寄せられた“接触障害”の声を挙げていきましょう。

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