感染不安で「さわれなくなった人」の厄介な現状 コロナ禍で物がさわれない「接触障害」の深刻度

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時にはあえて「怖い」と思っていることをやってみる。「意外に大丈夫だった」「少し慣れたかも」などと自分が変化している感覚を得られたら、改善につながっていく。

感覚の変化が実感できたら、おのずと心は軽くなっていくもの。不安や恐れは「自分の目の前にある身近なもの」として捉えすぎるとつらくなっていくだけです。「人類が存在していくうえではこういう感染症があるのも、それを怖がるのも普通のことなのかな」などと、いい意味でアバウトに考えられるようになれば、“接触障害”は改善されていくでしょう。

「それなりに予防しているから大丈夫」「これくらいなら感染しない」などと毎日、自分に言い聞かせる。できれば鏡に向かって笑顔で言う。自分の身体をさわりながら、大きく息を吸い、ゆっくり吐いて脱力したあとにやさしく言い聞かせる。

新型コロナウイルスへの感染に限らず、不安や恐れを感じるときは、このようなわかりやすい自己暗示も効果的。笑顔の自分やリラックスした状態を実感できれば、それなりに深刻さはやわらぐものです。これ以外の時間でも、好きなものをリラックスして笑顔で楽しむ時間を増やすほど、過度に感染を怖がる傾向は減らせるでしょう。

逆に家族、友人、同僚など、“接触障害”の人が身近にいる場合は、「大丈夫だからやめて」「感染しないから気にするな」と無理強いせず、おおらかな気持ちで接する姿勢が大切です。

身体的な症状が出たら医療機関へ

3つの方法を挙げましたが、感覚的な不安や嫌悪だけでなく、身体的な動悸、めまい、手足や声の震え、過度な発汗、息苦しさ、吐き気、疲労感、不眠などの症状を感じたときや、日常生活に著しい悪影響が出たときは、心療内科や精神科などの医療機関を受診してください。

また、不安をやわらげようとして、好きなものを食べ過ぎたり、お酒を飲みすぎたりなどの多食多飲も他の病気につながりやすいため要注意。“接触障害”の人は家に引きこもり、ストレス解消のために、ゲーム、テレビ、映画、漫画などに没頭しすぎてしまうなど、精神だけでなく身体の不調につながりやすいので気を付けたいところです。

緊急事態宣言が解除されたことで“接触障害”の不安が増してしまったのは皮肉な現象ですが、自分と周囲の人々にその傾向や症状はないのか。深刻化する前に一度考えてみてください。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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