感染不安で「さわれなくなった人」の厄介な現状

コロナ禍で物がさわれない「接触障害」の深刻度

「『感染したらどうしよう……』という気持ちが頭の中にずっとあって、スーパーに入るのすら怖いし、電車もガラガラのときしか乗れません」(40代女性)
「気にせずにいられたら楽だと思いますが、どうしても気になって感染防止の対策をやりすぎてしまいます」(30代女性)
「緊急事態宣言が解除されたら、すれ違う人たちがみんな危険な人に見えてきました」(40代男性)
「最近は20~30代の感染者が多いらしいし、感染したら高熱が2週間以上続くようなので、人に直接会う予定はすべて断っています」(20代男性)
「まだウイルスが蔓延しているとしか思えないのに、マスクをしなかったり、ベタベタいろいろなところをさわったり、お気楽な人が多くて嫌悪感があります」(30代男性)

「やらずにはいられない」強迫観念で孤立

感染予防を心がけることは素晴らしいものの、「頭の中にずっとある」「どうしても気になってしまう」「みんな危険な人に見える」「多いらしい、続くようなので」「蔓延しているとしか思えない」というフレーズから、必要以上に考えすぎている様子が伝わってきます。

必要以上に考えすぎてしまう最大の要因は、リスクを正しく把握していないから。感染症の専門家たちが、「新型コロナウイルスはさわっただけでは感染しない」「目・鼻・口などをさわらない限り大丈夫」「だから手洗いをしっかりしていれば問題なし」と断言しています。その上で3密(密閉・密集・密接)を避けていれば、過度に恐れる必要性はないのでしょう。

前述した「感染防止の対策をやりすぎてしまう」という30代女性は、「何度も何度も手を洗ってしまう」「自分の近くに人がいないか常にキョロキョロと挙動不審になってしまう」とも言っていました。頭の中では「ここまでやらなくても大丈夫だろう」とわかっているのにやらずにはいられない強迫観念があるのです。

その「万が一」どころか、「億が一」「兆が一」くらいの強迫観念はエスカレートしやすく、周囲からも引かれてしまい、孤立化につながるのが怖いところ。他人に入られると不快に感じる空間のことをパーソナル・スペースと言いますが、それが2メートル程度のソーシャル・ディスタンス以上に広くなり、他人を寄せつけない雰囲気を醸し出してしまうのです。

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